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診療報酬支払基金のI副長と省令改正について打ち合わせを行う

平成28年4月27日午後に、社会保険診療報酬支払基金大阪支部に赴き、副長のI氏と面談し、支払基金における保険者からの委託業務の在り方について、厚労省保険局長通知内容を元に打合せをしたところである。打合せ議題としては、平成28年2月4日付け厚生労働省保険局長通知(保発0204第2号)で示された「健康保険法施行規則等の一部を改正する省令等の交付について」であるが、この通知では、第2改正省令の主な内容1の(4)において、保険者から支払基金等への事務の委託に関する事項として「ア 保険者は、社会保険診療報酬支払基金に対して、保険給付のうち、療養費、出産育児一時金等の支給に関する事務を委託することができること。」と通知されている。私の認識では、すでに平成27年4月の法改正により、健康保険組合や協会けんぽという保険者が行うべき保険者業務につき業務委託を受けて、支払基金で実施する環境が整っているとの認識だ。今般の通知は単に要点整理を行ったに過ぎないものだから、特段驚くような内容はないが、今後、国保のみならず、被用者保険においても、支払基金への各種業務委託が始まり、療養費取扱いについても例外ではないということなのだろう。
すでに、国民健康保険や後期高齢者医療広域連合の保険者は、国民健康保険団体連合会に柔道整復施術療養費の審査や支払、保険者によってはその両方を委託しているし、さらに、はり・きゅう療養費やあん摩・マッサージ療養費にも拡大してきている。それを考えれば、健保組合や協会けんぽが支払基金に委託できない訳がない。今後、仮に各被用者保険である健保組合や協会けんぽまでが支払基金に療養費の審査・支払業務を委託する動きが広まったとしたならば、次に議論となるのは、業界がかねてから要望してきた“医科の療養の給付と同等な審査・支払事務の導入”ということになるのかだ。現状ではその可能性は極めて低い。これを行うには、健康保険法と医療法と社会保険診療報酬支払基金法、国民健康保険法などの多くの法律の一部改正が必要だが、併せて省令改正で運用の取り決めをし、かつ、それぞれの運用通知である規則や規定の改正も必要となることから大量な事務処理が発生する。これを厚労省がやってくれるとは思えず、業界団体側で素案さえも用意できないのである。そもそも、診療報酬債権ではない療養費は被保険者・世帯主に帰属する保険給付であることから、法令的な議論が必要。いまだに「紙(支給申請書)ベースでの申請行為」であって電算処理になっていないものを、医科と同格に取扱うことは困難だ。もちろん医師会等の大反発は避けられないことを考えてほしい。
by ueda-takayuki | 2016-04-28 12:30

公益社団大阪府柔道整復師会の療養費適正化5つの理念は“まやかし”ではなかろうか

 平成28年3月26日に公益社団大阪の会館で開催された平成28年大阪保険講演会の席上で、療養費適正化理念の発表がなされた。しかしここで公言された5つの提言は驚くべき愚かさであり、まるで当局や保険者に我が身を売り渡したような愚策を並べたものであることから、私どもとしては同じ柔道整復師施術者団体としてはけっして看過できない。もちろん、ここで「理念」とやらで表記されたものが、保険者や行政当局が目指す基本的考えであれば、的を得たご指摘も含まれているものと若干評価できるが、少なくとも施術者団体が声を大きくして公言するような内容ではないのである。このことから、私どもの考えを反論という形で整理して、個別の理念毎に反論を申し述べる。
そもそも公益社団大阪が自らの会館において保険者や整形外科医までも招いて行った保険講演会の陳腐な内容であると言える。こんなことでは公益社団大阪のみならず、公益社団日整に会員が入会するなどあり得ないことだと心配するのだ。公益社団大阪は会員の脱会者続出となりはしないか。公益社団大阪はこの講演会の結果によって会員数が減少してもかまわないと豪語しているようだが、聞いてあきれるのだ。会員を擁護すべき者が「去る者を追わず」などと嘯いている余裕など公益社団大阪にはないのではあるまいか。
重ねて言うが、療養費適正化理念は保険者が考えるにあたっては、貴重なスタンスであり、なるほど的を得たものであり、5項目それぞれ保険者としての取り組む必要性が保険者の基本理由として捉えたならば明確になっている。私ども施術者団体としてはそれに反論すべき立場にある。それは大阪社団とて同じであるはずだ。もちろん不正請求を防止する必要性については当然であることから、争いのない事実認識である。不正請求は私どもとしてもけっして許してはならないということでは思いは合致している。しかしながら、この不正問題以外はすべからく認められないと業界として反論すべきことを、施術者団体が決議してどうするのか。
公益社団大阪の唱える理念は療養費の受領委任の廃止を目論む整形外科医と療養費を少しでも抑制したい思いの保険者の共通した理念であって、施術者とその患者を守る施術者団体が主張すべき内容ではけっしてない。患者さんにとって柔道整復施術が有効かつ有用であるということを懇切丁寧に説明したうえで、柔整業界を敵対視する整形外科医で構成される団体に柔道整復師が患者から求められている現状を理解していただけるように対峙し交渉すべきである。
療養費請求額は大阪での実績をむしろ全国に拡大展開し、全国平均が大阪の請求額になるように施術に尽力することを応援するのが公益社団の務めであろう。一生懸命働いても療養費の取扱高が、わずか年間500万円未満が半数近くを占める柔整業界は貧困化のなみの中に埋没している様相を呈しているのだ。公益社団としては個人柔道整復師をも含めて柔整業界全体の運営状況を考えなければならないが、実質半分の業界人がひもじい思いの中で経営難に喘いでいるなか、さらに「パンを取り上げる」ことを業界団体が行うというのか。療養費取扱い収入が年間500万円未満の柔道整復師は生活困窮の難民になってしまう。それでは患者さんによい治療を提供するだけの余裕もなくなってくるのである。
公益社団大阪柔道整復師会が、今行うべきは、不正請求を許さない仕組みを構築するのは当然のことで、かつそのうえで、柔整業界が食べて行けるだけの環境を作ることである。療養費で治療を希望する多くの患者の希望に応える為に、保険での施術を尊重すべきであり、この保険取扱いを守っていくことが、今業界団体のなすべき理念に書き込まれなければ何らの意味もないのである。
医療保険の財政危機が叫ばれる一方で、医科本体は毎年1兆円ずつ増加拡大の傾向が今後も継続する。もはやくだらない社会正義論を主張する余裕など柔整業界にはないのである。現状において、保険者は着実に整形外科医と連携を組み、単に「保険から柔整師を排除する」という目的で合致しているに過ぎない。療養費の受領委任払いを廃止できたなら、結果として償還払い請求など事実上請求件数が激減するのだから、療養費はほぼ絶滅する。それが患者にとって利益のあることであるわけがない。業界団体としては現況の流れである保険者と整形外科の連携に楔を打ち込むことが急務である。整形外科よりも柔整の整骨院の方が、患者満足度が高いのは明らかであることを主張するのが公益社団大阪柔道整復師会がやるべき役割なのではないのか。
以上の基本的考えのもと、今回のまったくもって意味の無い公益社団大阪の5つの理念に対し、当方は苦言を呈さねばならないとともに、柔道整復師の魂を売ってしまった、柔整師の施術を受けたいと熱望する患者の思いを整形外科医に差し出してしまったことは「重罪」である。このことは取り返しのつかない愚行であると非難する。患者が持つ柔整施術を受けたいとの思いを「生贄(いけにえ)」にしてしまった罪はことさら重いのである。
 以下、詳述する。
理念1「大阪府柔道整復師会会員は、柔道整復業にあたって営利を目的としない」に反論する。
 公益社団法人は、公益事業と収益事業の一部を行うものである。しかし、療養費の取り扱いにおいて取扱手数料を得て収益を上げるのは当たり前のことであって、療養費の受領委任の取扱いは厚生労働省の運用通知に基づいて正規の手続きの元、実施されている。療養費の取扱いに当たっては、慈善事業やボランティアではないのである。療養費で得られる収入は、医科の療養の給付として医師の収入となる診療報酬と同様な収入源であることから、柔道整復師の収入の主なものであって貴重かつ重要な収入となる。患者さんを治療したことによる施術費用として、受領委任の取扱いをもって保険者から支給される療養費は適正な収入である。柔道整復師が施術所を経営するに当たっては、不正請求の排除に努めることは当然であるが、あくまで正当かつ適正な競争原理のもと、営利を求めるのは当たり前であって、営利を目的としないとの理念は愚かな空論又は精神論に過ぎないことから、何らの意味も有しない。
治療院の経営にあたる柔道整復師は、患者数が増えないのであればその原因を改善するための経営手法を学ぶ努力をしているのである。その勉強や努力の結果患者への来院指導力が強化でき、療養費の取扱いを増加させることを目指す。また、患者の利便性と生産性を考慮して療養費以外にも自費での売り上げを向上させる取り組みを行なう。そして、継続して来院していただく新患の獲得とリピートする再診で患者数増加を図るために尽力する。これらは、正当な経営努力であり、会員に営利を目的とさせないとの宣言は、まったくもって的外れなものである。
理念2「負傷の徴候の認められない患者への医科受診指導を促進する」に反論する。
 そもそも患者さんが整骨院に来院するにあたっては、何らかの身体の不都合や疼痛、機能障害等の自覚症状が発生しているからこそ柔道整復師のもとを尋ねたのではあるまいか。その様な中で、患者さんに負傷の徴候が認められない場合とはいったいどういうことを指し示しているのか分からない。患者さんからの十分な聞き取りや諸検査によって、施術を行う必要性を模索し、探り当てることがプロの柔道整復師である。この理念2では、患者さんに負傷の徴候が認められない場合は、初検料のみを算定することを推奨し、医科受診を促した挙句、堂々と初検料のみを算定することを求めているが、安易に医師へ患者さんをたらい回しにすることでは患者さんからの信頼関係など構築できないではないか。初検料のみの算定が偉いわけでも何でもない。医師への患者さんの紹介にあたっては、厚生労働省保険局医療課長通知で示された「算定基準の実施上の留意事項」第2の6によって、きちんとルール化されているのである。初検料のみの算定で療養費を申請した場合には、逆に保険者から「なぜ施術を行わないのか意味が不明である」との不備返戻の対象ともなり、混乱を招くだけである。初検料のみの請求が増加することが、なぜ適正化になるのかの説明を求める。この理念の意図するところは一言で言えば、「患者の来院は断れないので、初検料のみを請求して、後は医師へ任せることを徹底しよう」と言っているのだから、治療家としてのプライドを捨て去れと主張しているようなものであることから、責任ある柔道整復師としては到底受け入れることはできない。 
患者は何らかの身体に抱える不都合があるからこそ治療院の門を叩くのである。単に暇つぶしに来院するのではないのだ。患者に負傷の兆候が見られない場合とは具体的にどういうことを指すのか説明してほしい。負傷原因がはっきりしていないものは医科へ回せということか。この理念の解説文のみではよくわからないのである。
柔道整復施術療養費支給申請書の提出にあたっては、厚生労働省保険局長通知により負傷原因の記載を求められている。現行の運用では3部位目の請求をするのであれば、すべての負傷について、負傷原因を明記する取扱いとなっている。しかし、柔道整復師が患者に問診しても、負傷原因を明快に説明できる患者は少なく、ハッキリとした負傷原因が患者自身で説明できない事例が多数見られるが、それらの療養費請求を諦め、医科の受診を促すということを推奨したいと言っているようなものであり、愚かな選択である。
特に高齢者においては、実際に疼痛等の治療を要することが客観的所見で明らかであるにもかかわらず、原因が特定できないことから療養費という保険治療を諦めてしまう現況にある。
よって、現状の療養費の請求がより適正に認められる方策としては、従来から求められている負傷原因の明記、または直近の患者の「治療すべき症状」に着目し、患者の具体的症状を明らかにすることで保険請求ができるように、むしろ運用変更することを求めるのが施術者団体たる公益社団大阪府柔道整復師会の責務ではないのか。また、このことを理念に掲げるのが正当な主張ではないのか。
療養費支給申請書の「負傷の原因」欄は、昭和49年6月10日付の厚生省保険局保険課長内翰(ないかん)により、「業務災害、通勤災害または第三者行為以外の原因による」と記載すればそれでこと足りるものとされた。
これにより、療養費支給申請書にこの一行を印刷または手書きして請求することになったのは周知の事実である。すなわち、業務災害や通勤災害は労働者災害補償保険から健保よりも手厚い給付がされることから対象外であるのはもちろんのこと、第三者行為であれば本来、加害者が損害賠償の補償義務を負うのであるから、これら以外の災害だと負傷原因欄に記載されればこと足りるものという運用であった。
しかし、平成5年の会計検査院の是正改善要求や平成7年の医療保険審議会柔道整復等療養費部会の意見書等により負傷原因の具体的記載を求める動きが活発化したところ。これを受け、平成8年に負傷原因を柔道整復師が患者からの聞き取りにより、特定したものを負傷原因欄に具体的に書き込む通知が発出されそうになった。そのようなことになれば保険者はその負傷原因が本当かどうかの検証を行うため、患者照会を行うことが明らかだったので、柔道整復業界に理解のある国会議員らの活動によりこれが回避された歴史がある。
平成16年7月施術分から4部位請求ならば1部位に遡ってすべての具体的な負傷原因を記載するように大きく運用変更がなされ、平成22年9月施術分から4部位目からが3部位目からと強化され現在に至っている。
本来であれば、柔道整復師は患者の症状に着目して、施術を行う各部位に例えば捻挫であれば「発赤・熱感・疼痛・腫脹・機能障害」が具体的に認められたなら、先の労災や交通事故の対象でないことを確認すればすべからく保険請求が認められていたのである。つまり、柔道整復師は患者の“症状”に対し自らの治療による効能効果を確認する義務はあっても、“負傷原因”を特定する義務などなかった。
柔道整復施術療養費の支給申請に係る適正化の観点から、平成16年5月28日付保医発0528001号をもって、施術者としての柔道整復師が患者の負傷原因を特定することが義務付けられた。その結果、負傷原因欄の記載の正当性を保険者としては確認したいということで、患者に対する確認業務が大量に開始され現在の取扱いとなっている。
そもそも療養費の支給対象として認められている「亜急性の負傷」とは、明確な発生機序がないものである。厚生労働省は受領委任の取扱い上、「急性・亜急性の外傷性の負傷が保険の対象」と言っておきながら、一方では、「具体的な負傷の原因を記載せよ」と自己矛盾の通知を発出していることを公益社団大阪には攻めてもらいたい。
当初負傷原因の特定は柔道整復師が行う必要のないものであり、柔道整復師は症状の確認さえ行えばよかったものが、現在においては結果として柔道整復師が負傷原因を特定して負傷原因欄に記載しなければならなくなった。
さらに、平成24年3月12日付 厚生労働省保険局の担当4課長連名(医療課長・保険課長・国民健康保険課長・高齢者医療課長)通知の別添3-1「柔道整復師の施術を受けられる方へ」中、健康保険等を使えるのはどんなときに対する回答記載として、「骨・筋肉・関節のケガや痛みで、その負傷原因がはっきりしているとき」という解説がなされ、現況ではあくまで明確かつ詳細な具体的負傷原因の記載が求められている実態にある。
しかしながら、患者の一部には負傷原因について正確かつ詳細に述べることが困難な方もあり、正しいことを正直に申し述べるとは限らないではないか。
また、負傷原因が特定できなくとも、打撲や捻挫の症候が現に表出していて、治療することで効果があれば、患者及び被保険者の認識としては、療養費の対象としていただきたいというのは当然のことなのである。
これを認容する運用改正として、大阪社団が理念としてもの申すべきことは、従来の負傷原因が特定できるのであれば負傷原因の記載を、そして負傷原因が明確に記載できない場合は、負傷原因記載に代えて、柔道整復師が施術を実施する現状における患者が有する具体的な症状の記載でも、療養費支給申請が認められる運用変更をすべきであると唱え、症状記載でも保険請求が認められる運用変更を求めるべきである。
にもかかわらず、患者に負傷の兆候が認められない場合は、初検料のみを算定し、実際の施術は放棄して、医科へ丸投げすることを理念とするなど、開いた口が塞がらない。
初検料のみの申請実績の割合を向上させることが、なぜ業界を守ることになるのかの説明が欠落している。
理念3「療養費の不正請求排除に向け、療養費適正化特別対策班を設置する」に反論する。
 これもまた驚くべき内容である。これは、大阪社団の組織内に、当局への「注進・告げ口」を制度化するというのであるから、これもまた開いた口がふさがらない。タブーを恐れていては適正化は進まないと主張するが、そのような仲間を売るような卑劣な組織に明日はない。会を信じて入会している会員のうち、多くの者は脱会することになるのではないかと心配している。また、大阪社団内に特別対策班を設置し、得られた情報をどこに提供するのかさえ判然としていない。保険者あてなのか、行政(地方厚生局長や都道府県知事)あてなのかさえ分からない。会員の仲間を第三者に売り渡すような卑劣な行為が正当化される訳がないのである。
理念4「違法広告に関する指導を強化し、監督官庁への通報制度を設ける」に反論する。
度を超えた烈しい広告宣伝が認められないし、交通事故専門等の違法広告が蔓延っている実態を改善する必要があることは理解しているし、当方も適正化に向けた努力をしている。
しかし、各種保険取扱いが違法広告なのであろうか。療養費の受領委任の取扱いは事務取扱いに過ぎないけれども、ある意味歴史的な沿革とともに制度化されたものと考えられる。医科においては常態化し、また、整骨院においてもほとんどすべての施術所において使われている実態を重要視すべきである。また、骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷を施術メニューとして捉えたうえで、その記載を認めない動きもあるが、これを広告してはならないとすれば、いったい柔道整復師は何を行う者であるのか皆目見当がつかなくなる。これは治療メニューの広告宣伝ではなく、単に施術を行う目的対象を患者に分かりやすく説明する上での「事実の告知」に過ぎないものであると反論する。
行き過ぎた表示と認められる「交通事故専門治療」、「むちうち専門治療」、「肩こり治療」、「腰痛症治療」等に対する指導は理解できるものの、柔道整復師法第24条及びあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律第7条に掲げる事項以外は一切認めないという指導が開始され、全国に広まる様相をみせていることには公益社団としては納得できない立場である。これが徹底されると、実際問題としてはほとんど何も広告できなくなってしまう。少なくとも柔道整復施術として保険取扱いで認められている骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷と各種保険取扱い程度くらいは「事実の告知」として認められるべきであることを主張するのが業界団体、特に公益社団の役目である。当方、公益社団法人全柔協はこれを実践すべく、過激な取り締まりを実施している京都府庁や京都府山城北保健所等に実地に赴き、行き過ぎた広告規制に苦言を呈しているところであって、このような取組みこそ理念として掲げるべきものである。
徹底した広告規制の指導を保健所等の当局に保険者が望む声はかねてからあったところであることは了解している。当方としても違法や不当な広告や行き過ぎた事案については会員への指導も含め、適宜対応しているのである。
しかしながら、施術者団体として納得できない点が2つある。一つは施術の事実を告知しただけでも広告規制の対象となるのかという疑問と、柔道整復師という免許を持つ有資格者だけを指導して、無資格者には何らの指導もしない行政当局の実態に対する不満である。柔道整復師の行う捻挫・打撲等の施術は、厚生労働省が施術対象として認め、実際に施術を行っているメニューではないのか。実際に行っている事実を告知しているに過ぎないもので、これさえ削除・抹消せよとの指導に従ったなら、柔道整復施術の捻挫・打撲等は患者からみれば「実はやってはいけないものだったのだな」との誤解を生じさせるのではないのか。それを後押しするようなことを大阪社団が行ってどうするのか。行政や保険者、そしてこの講演会の後援になっている開業整形外科医に媚びを売ってどうするのか。
また、保健所がよく言うことで、無資格者に対する指導をしないことを「法律がないから」ということなど理由にはならない。有資格者が一切の広告を出せず、一方無資格者は取り締まりがなされないことをいいことに、無資格者によるさらなる過激な広告を打ち出すという「逆差別化」を危惧することこそ、大阪社団が主張すべきことだ。
柔道整復師の広告に捻挫・打撲等を記載できないならば、整骨院は何をやってくれるところなのかが皆目分からなくなってしまわないか。患者に対し捻挫や打撲等を認識させることが、虚偽及び誇大広告に繋がるとは思えず、これらの表示には何らの誘引性・特定性・認知性も認められないのである。
平成26年1月21日~22日に開催された「全国厚生労働関係部局長会議(厚生分科会)」での資料中、医政局医事課からの連絡事項「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師の施術所についての(2)広告の指導について」によれば、適応疾患及び適応症状等について広告することは認められないとの記述はないのである。少なくとも柔道整復施術として保険で認められている「骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷」と「各種保険取扱」程度くらいは、患者に誤解を与えることを防止する意味でも「事実の告知」と位置づけて認められるべきではないのかとの主張を理念として掲げるべきであったことから、大阪社団のこの理念は本末転倒であるものと非難されるべき愚策であろう。
理念5 「往療料の適正な算定基準について会員に指導する」に反論する。
 往療料は患者が疾病のため自宅で静養している場合等、外出が制限されている状況下において、歩行困難等、安静を必要とする事由があることから、患者自らが施術所に赴くことが困難である場合に、患家からの要請があって患者の家まで出張した場合の“総合的加算費用”として認められたものである。現行の基本料金1,800円(距離数により更なる加算あり)の考えは、「総合的な手間暇(てまひま)代金」の補填であろう。往療料は往療に要した交通費の実費弁償の位置付けではないのだ。
そもそも、往療に実際要した交通費については、患者の負担とすることが厚労省保険局医療課長通知により定められており、それによれば、「往療に要した交通費については、患家の負担とすること。往療時に要したバス、タクシー、鉄道、船等の交通費は、その実費とすること。自転車、スクーター等の場合は、土地の慣例、当事者間の合意によるべきであるが、通例は交通費に該当しないこと。」と明記されていることからも、往療料に交通費は含まれず、あくまで患者の負担であると決められている(療養費の支給の留意事項保険局医療課長通知第5章往療料8)。
往療料は計画的・定期的なものは認められないという点が既に時代遅れであり、現行の算定基準が時代に合わない不都合極まりない基準であるのだから、この基準を改める要望をするのが公益社団大阪のすべきことである。
療養費の現行の往療料の考えは、加算導入当時の医科の往診料の考えをそのまま使っている。当時は、介護保険制度もなく、デイサービスやデイケアが存在していない時期である大昔の整理を、療養費の往療料にはいまだにその文書が残っているので、デイサービスやデイケアの無い日に施術を組めば、曜日が固定されることから「定期的・計画的」と保険者判断されてしまうという不都合がある。こんな愚かな基準を会員指導する暇があるのであれば、なぜ、算定基準を会員に有利に、そして患家に有益なものに変革する努力をしないのか。その変革の努力目標を理念として掲げるべきであるにも関わらす、現行基準を指導するなど納得できないのだ。この考え方自体が時代錯誤なのが分からないのか。むしろ定期的かつ計画的でなければ往療ができないことを保険者は理解すべきであるし、行政も通知通達の記述を変更すべきである。だから、本当は、厚労省保険局医療課長通知の留意事項第6章往療料2で示された通知を削除しなければ、現行の介護保険制度と歩調を合わせた柔道整復師による施術者活動が困難であるにもかかわらず、業界団体は何もしない。それどころか、現行の愚かな基準を会員に指導するなど馬鹿げたことを理念に掲げているのである。
すでに秋田県後期高齢者医療広域連合や秋田市国保等では、国が定めた取扱いを無視して保険者独自の鍼灸マッサージ療養費に係る往療料抑制策を打ち出している。往療料加算にどうしても「往療内訳書」等の新たな書面が必要なのであれば、全保険者共通認識として実施するのであれば当方も協力するが、一保険者の恣意的な考え、すなわち「施術者は往療料を不正利得するのが常である」との発想に基づく抑制策が今後強要されてくる中で、適正化の名のもとに往療料算定を自粛する方向性を助長する取組みは慎まなければならないものと考えることから、この理念に対してもすべて反対である。要は、基準を会員に徹底するよりも、寧ろ時代に合った算定基準の構築こそが理念としては相応しいのだと言いたい。よって時代錯誤の算定基準を会員に押し付けるのではなく、柔道整復師が納得できる新基準を構築するために会員の要望を聞き入れる努力が求められていることに鑑みると、「本末転倒」な議論を重ねてどうするのか。まったく訳が分からない。既存の時代錯誤の算定基準を重宝がり、これを尊重した会員指導を行うなど止めた方がいい。少なくとも公益社団大阪が理念として掲げるものではないのである。
by ueda-takayuki | 2016-04-25 14:48

大同特殊鋼健保組合の患者に係る患者照会について患者と柔道整復師の会と名乗る団体から文書が送付された

当方の会員が受領委任の取扱いとして、愛知県名古屋市に所在のある大同特殊鋼健康保険組合宛てに療養費支給申請を行ったところ、その実態がよくわからない「患者と柔道整復師の会 中野事務所」と名乗る組織から、当方会員が経営する施術所宛てに調査書の送付があった。
 この内容によれば、当方会員が施術を行った柔道整復施術療養費の内容に関する調査事案としての確認項目について、大量な照会書面が送付されたところだ。当方の会員はこのことに驚き、施術者団体として所属する当方に対し問合せをされたのである、当方としては何らの情報も持ち得ていないことから困惑している。
 ついては、本件照会内容の実態について、「保険者が大同特殊鋼健康保険組合」と明記されていることから、大同特殊鋼健康保険組合に対し疑義内容を整理したうえで照会するので照会内容の全てについて文書により明解にご回答をお願いしたところである。回答いただけない場合は、どの保険者であろうが保険者様に関わりなく、よくわからない照会先が勝手に送付されたものと考え一切対応しないこととしたい。健保組合から回答があれば、それが外部委託点検業者として厚労省の通知に従っているものかどうかを徹底的に調査研究することとしている。
1.患者と柔道整復師の会が外部委託点検業者であるか否かの問合せと、外部委託点検業者に係る契約の有無について
 患者と柔道整復師の会と名乗る団体は、健保組合とどのような関係にあるのかを明らかにしてほしいのだ。業務委託契約を締結している場合は、当該団体が通常の外部委託点検業者、すなわち平成24年3月12日付 厚生労働省保険局担当4課長連名通知で示された「柔道整復師の施術の療養費の適正化への取組について」と題された通知中の別添4に記載のある「民間業者への事務の外部委託における留意事項(柔道整復療養費関係)」で表現されている外部委託点検業者と同一であるということでよろしいかどうか。同一である場合、健保組合が外部委託点検業者と判断されたうえで患者照会に係る業務委託契約を締結しているとするのであれば、他の外部委託点検業者と同様な取扱いをさせていただくことになるだろう。
 しかし大同特殊鋼健康保険組合が当該団体を外部委託点検業者とみなしていないとか、更には業務委託契約を締結していないのであれば、そのような第三者の団体に当方会員が回答する必要性自体が存在しないので対応できないのは当然である。このことについて健保組合の見解を明解に回答してほしい。
2.保険者以外の業者(第三者)に対して患者情報を提供することの問題点について
 上記1.での回答如何により今後の対応は変わるだろうが、仮に1.で外部委託点検業者と同様であると当該団体を健保組合において外部委託点検業者と認め、そのうえで業務委託契約を締結しているならば、当該団体がどのような手法で、
 ①患者さんの情報を取扱うにあたり個人情報保護の見地から見て問題がないと保険者が
  判断した理由
 ②当該照会文書として施術所に送付された調査書に柔道整復師が回答することが、守秘
  義務の見地から問題ないと判断される理由
 ③本件を回答することによって柔道整復師が保有する個別の柔道整復施術行為に係る知
  的財産が何ら侵害されることがないという保証
 ④柔道整復師が患者との接触により知り得た範囲内での秘密を漏洩するという危険性に
  何をもって担保するかの疑義
以上4点について、大同特殊鋼健康保険組合が本件照会業務を当該団体に委ねた基本的考えを明らかにしてほしいものである。
3.保険者に対する照会には当然対応するが、それ以外については回答を差し控えるのが当然であることについて
 私は永らく保険取扱い業務を通じ、柔道整復師とその患者さんの権益を守り、保険で治療を受けられる観点から、柔道整復施術療養費の取扱いを応援してきたところである。それがひいては各健保組合の財政的な見地にも役立つものとの考えから保険取扱業務に尽力してきた所存なのだが、今回の「患者と柔道整復師の会」の照会内容が、これだけでは全く何もわからず困惑していることを繰り返し申し述べるものである。
 もちろん保険者が適正なる療養費の支給申請事務にあたり照会されたことについて、誠心誠意回答するのは当方会員の義務である。そのことは受領委任の取扱規程にも記載されているところであるが、あくまで保険者が行う業務のうち外部委託点検業者が行えることは、先の厚生労働省通知上でも極めて限定的に取り決められているではないか。保険者等からの聞き取りも外部委託点検業者の業務ではけっしてないのだ。(別添4の1 外部委託の範囲にかかる留意事項 外部委託することができないこと⑤)このことから健保組合からの依頼については、当方会員に対してはもちろん懇切丁寧に回答することを指導していくが、当該書面を発出した団体のことはまったくよくわからないのでこのままであれば対応できないことから、書面をもって相談させていただくこととした。今後とも「患者と柔道整復師の会」を名乗る団体から大同特殊鋼健康保険組合の組合員に係る調査が送付された場合は、健保組合からの明解な回答がない間については一切対応致しかねる旨ご了承願いたいものである。いずれにしても、大同特殊鋼健康保険組合からの書面による早急な書面回答を求めるものである。
by ueda-takayuki | 2016-04-25 12:33

サカタインクス健保組合と万代健保組合に対し支払請求の遅延にもの申す 

サカタインクス健康保険組合と万代健康保険組合の2つの健保組合に対し、柔道整復施術療養費支給申請書に係る事務処理に文書により苦言を呈したところである。長期間にわたり健保組合において支払いを保留されているのだ。このことについては、過去から数回にわたり、当方より書面をもって未入金の確認についての依頼を送付してきたところであるが、公法人である健保組合としては許されない「完全無視」である。未だ支給決定がなされないばかりか、約2年近く前の施術分において支給決定の目途についても提示頂けていない仕事をしない健保組合である。健保組合が患者等に対して患者照会を行うのは療養費の支給事務の適正化の観点から理解している。患者等からの回答がない場合には督促を行い、必要に応じて患者宅への実地調査や事業所を通じて確認を行うことは保険者の通常業務であるし、これについても理解している。しかし、それらの業務を行わずに、単に患者等からの文書回答を待っているだけの事務処理を行っているのであれば、職務怠慢といわざるを得ないではないか。今般の事務処理について健保組合の見解を求めるとともに、いたずらに支給決定を遅延させることのないよう、速やかな支給決定を要請する。また、未入金分についての明細書を送付するので確認いただき、現在の状況についても知らせてほしい。これだけ支給事務が遅延していることに鑑み、誠意ある対応が頂けないのであれば、民事調停や訴訟案件とする用意があることを申し添える。大阪市を相手取った民事訴訟にも完全勝訴した上田たかゆきを一方的に保険者が無視してはいけないのだ。
by ueda-takayuki | 2016-04-22 16:45

厚労省の社会保険審査会に対し再審査請求を提出した

東京都江東区に所在のある印刷製本包装機械健保組合が柔道整復療養費を不支給処分にしたことに対する関東信越厚生局社会保険審査官あての審査請求が本年3月に棄却決定されたことについて、被保険者である患者さんが絶対に納得できないということである。ルール通り厚労省の社会保険審査会あてに再審査請求書を提出した。本件は保険者の不支給材料が、被保険者回答内容のみが唯一の拠り所となっていて、患者回答のあり方を議論するには好都合の事件であることから、上田が代理人となってお受けしたところ。再審査請求代理人として11枚に渡る再審査請求の趣旨及び理由書を書き上げた。公益社団全柔協の会員に寄り添い、全力で会員を応援して差し上げたい。そして、会員の患者さんが健康保険取扱いから認められないことでお困りであれば、法令的なアドバイスをして差し上げるのは当然のことである。
by ueda-takayuki | 2016-04-19 17:13

大阪府国保柔整審査会は寝違えでの請求に詳細な解説と受傷時間を求めるという愚かさだ

大阪府国民健康保険団体連合会大阪府国民健康保険等柔道整復療養費審査委員会が今般、寝違えによる頚椎捻挫について療養費支給申請書を返戻してきた。寝違えによる頚椎捻挫については、急性の負傷であり療養費の支給対象であると考えることから、まずは上田の「寝違え」に係る基本的考え方を述べておこう。
寝違えとは頸部捻挫の一つの態様であり、急性疼痛に頸椎や肩甲骨の運動性が制限された状態だ。頸部はそもそも可動域が大きく、その支持組織が相対的に弱い為に頸部捻挫を起こし易いものである。また、頸部捻挫により頸部をはじめ、肩部、背部あるいは事例によっては上肢にいたるまで疼痛やシビレ感などを伴うことが少なくないので注意を要する負傷であるといえる。
寝違えの具体的な発生機序についてだが、急性又は亜急性の外傷性の発生機序として位置づけられ、就寝中などにおいて、大部分は長時間の不自然な体制・姿勢で寝ていたり、睡眠中に不用意に首をひねったり、また、このようなときに肩甲骨を動かしたりしたときに起こる一過性の筋痛である。
頸椎の退行性変化を基盤として起こる場合や炎症性の疼痛による場合もある。
寝違えの一般的な症状としては、頸椎の運動制限はあらゆる方向にみられる。とくに捻転や側屈が制限されることが多い実態にあるのだ。疼痛は僧坊筋、菱形筋、胸鎖乳突筋、肩甲上神経部などにみられ、これらの圧痛部に小指頭大のしこりを触れることもある。さらに頸部から両側肩甲間部にまで疼痛が放散することも少なくないのである。
柔道整復師が行う施術としては、主に圧痛部位を冷やしたり、逆に温熱を加え手技療法や理学的療法、物理療法を組み合わせたりして治療を行うこととなる。また、必要に応じて牽引療法や軽い頸部・肩甲帯の運動指導も有効なことが多いことで知られるものである。
柔道整復師の治療する得意分野の一つとして軟部組織損傷の頸部捻挫があることに鑑みれば、寝違えも柔道整復師の施術の適応症であることは間違いない。頸部軟部損傷においては、四肢の軟部損傷とは異なり、脳を支える重要な神経や血管の径路であることから機能的だけでなく、筋靭帯の損傷の腫脹疼痛、拘縮、外傷性炎症等が二次的の圧迫や刺激となり、結果的に自律神経の失調異常や頭部、上肢部の種々の症候群を惹起する場合もあるのだ。柔道整復師としては特にこの点に留意して施術に努めているのが実態であろう。
返戻付箋の手書きコメントによれば、寝ていた時にどのような理由で捻挫したのかを、その時間的要因(寝始めか、起きた時か)も含めて詳細に記載せよとの返戻であるが、何とも愚かで情けない。審査員はバカではないのか。この返戻理由は全く理由になっておらず、意味をなさない嫌がらせの返戻としか思えず、この回答を求める審査委員の実名とその委員の立場(公益代表か保険者代表か、又は施術者代表か)を明らかにして頂きたいのだ。
そもそも寝違えが保険給付対象となることについては上記で縷々説明したが、これでも分からないのであれば、当該返戻をしてきた審査委員は無能である。本件は患者が寝ている時に痛めたものであり、睡眠中のことなのだ。この返戻理由は睡眠中の記憶を明らかにせよと言っているわけであり、意味をなさないものであり、当会会員は回答のしようが無いではないか。また、寝ている時の理由を求めるということは意味不明であり、その時間を特定しろというのは愚問以外の何ものでもない。このような返戻を行う者に対し、私が直接面談したい。
例えば寝始めだったら支払われるとか、起きた時なら支払われないとか、審査員はそういうことを主張されたいのかどうか。よくわからない。この返戻が何を意図しているのかが施術者には理解できないではないか。また、施術者は当然患者に確認するしかないのだが、その際患者に対し「寝ていた時にどうやって痛めたんでしょうか。それはいつでしょうか、寝始めでしょうか起きた時でしょうか。」などとは、あまりにも愚かな内容であり、わざわざ数ヶ月前の寝違えの状況について尋ねることなどできないではないか。返戻理由になっていないので当然このまま再請求するが、どうしても認められないということであれば今後は再返戻するのではなく、厚生労働省保険局長通知で定められた審査委員会設置要綱の7 審査結果の通知等に定めのあるとおり、問題がある旨を付箋に明記し、支給申請書に貼付したうえで保険者に連絡すれば事足りるものであり、このような返戻は絶対に認められない。
by ueda-takayuki | 2016-04-13 11:24

新潟県後期高齢者医療広域連合のしおり及びガイドブックの記載内容にもの申し反論する

新潟県後期高齢者医療広域連合が後期高齢者医療制度について解説している「後期高齢者医療制度のしおり」及び「後期高齢者医療制度ガイドブック」における、柔道整復療養費に関する記載内容について一部疑義がある。
 この中で、「柔道整復師(整骨院・接骨院)の施術を受けるとき」の説明として「医療保険が使える施術は、急性または亜急性の骨折、脱臼、打撲及びねんざで、その原因が外傷性の場合です。」との記載があるのだが、柔道整復療養費の支給対象には、『挫傷』も含まれるではないか。
 同じくガイドブックにおいても、挫傷に関する記載が見受けられない。平成24年3月12日付の厚生労働省保険局担当4課長連名通知において、周知用パンフレットの例として示された別添3-1「柔道整復師の施術を受けられる方へ」では、健康保険等を使用できる説明として「医師や柔道整復師に、骨折、脱臼、打撲及び捻挫等(いわゆる肉ばなれを含む。)と診断又は判断され、施術を受けたとき。」と記載されていることから、新潟県後期高齢者医療広域連合のしおり及びガイドブックにおいても、誤解のないように記載していただきたいものである。
 また、ガイドブックにおいて、保険証が使えない場合の説明として「日常生活における単純な疲労や肩こり・腰痛・体調不良など」と記載されている点も不備である。厚生労働省保険局医療課長通知で示されている柔道整復師の施術に係る算定基準の実施上の留意事項(以下、「課長通知」という。)の 第1通則 6 によれば、「単なる肩こり、筋肉疲労に対する施術は、療養費の支給対象外であること。」と明記されている。
すなわち課長通知では、あえて『腰痛』の記載を入れていないことが明らかだ。これは腰痛の85%は原因が不明であることが明らかとなっている現況に於いて、腰痛を引き起こす発生機序が必ずしも急性であるとは限らず、亜急性が原因となる場合が多く認められることから、意図的に表記しなかったものである。
 課長通知で明らかにしていない内容を記載するということは、腰痛はすべからく保険対象外というイメージを患者に抱かせ、不当に療養費の支給対象を狭める危険性が高いものであり、多くの患者の誤解を招くものと推察され、柔道整復師及び柔道整復師団体としては、強く抗議する。
 腰痛の症状を呈すものの中にも、当然ながら柔道整復師の業務範囲内のものが数多く存在することは言うまでもないことである。厚生労働省のホームページにおいても、以前は新潟県後期高齢者医療広域連合と同様に腰痛が療養費の保険対象外である記載をしていたものを、全柔協がその誤りを問い質した結果、現在はホームページ上から腰痛の部分が削除された経緯がある。以上のことから、挫傷についても記載することを求めるとともに、腰痛が保険対象外であるという記載を削除するよう要請した。
by ueda-takayuki | 2016-04-13 11:22

京都銀行健保組合の患者調査の誤りを問い質す

京都銀行健康保険組合が行っている患者照会「柔道整復師(整骨院・接骨院)での受診に伴う確認のお願い」の書面が、こと細かに手書きで注意書き等が加えられており威圧的であると、当協会会員である施術者を通じて情報提供があったところだ。
 柔道整復施術療養費の受療に関する患者調査については、その実施が平成24年3月12日付の厚生労働省保険局担当4課長連名による発出通知「柔道整復師の施術の療養費の適正化への取組について」に、その根拠があることは承知している。
 しかし、整骨院での治療を受ける度にこのような詳細な患者照会が行われることにより、患者の受診抑制に繋がるのではないかと憂慮するのである。厚生労働省保険局4課長連名通知によれば、患者調査の事例として取り組まれている患者照会の参考様式例が示されている。様式例1のような、よりわかりやすい様式に変更されては如何だろうか。
 また、この書面と共に療養費支給申請書の写しが添付されており、施術内容を確認してから署名を行ったかを質問されている。これについても、厚生労働省保険局担当4課長連名通知において『自筆署名をするタイミング』として“療養費支給申請書の内容(負傷原因、負傷名、日数、金額)をよく確認して、署名または捺印する”とあることから、このような確認をされているものと推察する。
 しかしながら実際の運用として、月の最終来院日に署名を求めることは困難である。月の最終来院日がいつになるのかは不明であり、中には初検で来院したその日以降通院しない患者も存在するのをどうすればよいのかの具体的提示がないのは失礼である。できもしないことを求められても困るのだ。このことは内閣参質168第15号の質問主意書に対する政府答弁書の中で「柔道整復師の施術所への来所が患者により一方的に中止される場合があること等から、患者が来所した月の初めに署名を行い、当該申請書を作成する場合もあることは、厚生労働省としても承知している」とあるように、厚生労働省としても認識されているところだ。ちなみに当方においては、施術部位が記載された領収証を発行するなどし、患者に療養費支給申請書の内容を確認させることで、厚労省通知の主旨にも従うこととなるよう運用している。少なくとも患者に負担がかかるような、患者にとって執拗な患者照会という印象を抱かせるような照会とならないようにしてもらいたい。
by ueda-takayuki | 2016-04-13 11:21

4月1日現在の健保組合数は1,399組合であること

厚生労働省が4月1日現在の健保組合数を公表した。それによれば1,399組合とのこと。ついに1,400組合を下回ったのだ。昨年の4月1日では1,405だったので、単純比較すると6組合の減ということである。今後も健保組合においては解散と合併の動向は止まらないのである。個人的な感想としては、愛知県のツヤキン健保と岡山県の天満屋健保の解散が残念である。
by ueda-takayuki | 2016-04-12 17:03

奈良県後期高齢者医療広域連合の患者への面談についての疑義に係る再申請

この度の奈良県後期高齢者医療広域連合からの返戻内容は広域連合の職員が被保険者本人宅へ出張したうえで本人との面談の結果として、
①外に外出ができ、買い物も被保険者自らが対応していること
② 受け答えもハッキリされていること
などから、真に安静を必要とせず歩行困難とも認められないことから、日常生活における行動が著しく制限されているとは認められないとの判断をされたとのことで、あわせて「強度腰痛により、自立での外出困難」との様子も見られないことから往療料の算定が認められないとの保険者の認識が正当であることを返戻理由とされている。
 そうであるならば、このことを理由とした一部不支給決定処分をすべきであり、なぜ支給できないと保険者が判断しているのに返戻するのかが理解できないことから、当方としては当然のことながら再々申請するものだ。
 なお、後期高齢者医療の被保険者になる前の国保の被保険者期間に係る審査請求については、現在、奈良県国民健康保険審査会において審査請求の審理中であることを念のため申し添えておきたい。
by ueda-takayuki | 2016-04-06 11:41

上田たかゆきオフィシャルブログ


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