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広島県国民健康保険柔道整復療養費審査委員会は第三者行為による負傷届の内容を何故か柔整師に聞いてくる

広島県国民健康保険団体連合会広島県国民健康保険柔道整復療養費審査委員会は、第三者行為である交通事故に係る負傷原因の詳細を、何故か柔道整復師に確認したいとのことで、療養費支給申請書を返戻してくる。事務処理が分かっていないようだ。広島県国保連合会へ提出した柔道整復施術療養費支給申請書において、広島県国民健康保険柔道整復施術療養費審査委員会より「負傷の原因を具体的に記載してください。長期に渡っているので専門医受診をお勧めください。」として申請書が返戻されたのだ。本件については負傷の原因欄に「交通事故による」と明記してあり、また事故による届出を「提出済」である旨と、摘要欄に東京海上日動火災保険のご担当者様を明記した上で、申請書を提出したもの。
第三者行為による届出は世帯主側から保険者に提出済とのことで、そこに負傷の詳しい原因や状況等も記載されていることから、原因の詳細について確認が必要という事であれば直接そちらでご確認をお願いしたいし、それが筋論である。そもそも「第三者行為による負傷届」は、保険者が保険給付するにあたって必要な届出であり、保険者はこの届出がなければ求償権の行使を実行することができず、保険給付が困難になる。本来は加害者が患者に医療費(この場合は柔道整復施術療養費)を支払うことが原則だが、諸事情により今般の事例は国民健康保険取扱いとなることから、国保保険者は保険給付した価額の範囲内でその費用を加害者に請求するという求償行為に係る実務処理が発生するのだ。だから「第三者行為による負傷届」が提出されていることは、国保で給付を受けたいとする被保険者の属する世帯主に提出義務があるわけだ。繰り返しになるが、本件については当該届出書が提出済であることが確認されていることから保険者への確認をすればこと足りるわけであり、柔道整復師に説明を求める案件ではない。以上のことから、今回の返戻は返戻理由がないことから再申請する。
第三者行為による負傷届とは何なのかが、一部の審査委員にはご理解いただいていないようだ。このような指摘をする審査委員は広島県国保審査会のみなので、特定の者の勉強不足と思われる。必要に応じて広島県国保連合会に赴くこととしている。
                                  
by ueda-takayuki | 2014-08-26 10:52

金属副子等加算の運用実態把握の件についての調査報告について

大阪労働局労働基準部労災補償課分室に赴き、労災医療指導監査官のOさんと面談。以前面談したときには、「金属副子の特別加算としてアルフェンス(アルミニウム板にポリウレタンフォームを接着させたアルミ副子)やプライトン(ポリエステル樹脂製のギプス固定)は認められない旨、また、包帯交換料にはテーピングの張り替えは該当しない」と言われた。しかし、本省の厚生労働省労働基準局労災補償部補償課医療専門官のT氏から「認められる」との正式な見解があり、これをもとにして鍼灸柔整新聞平成26年6月25日号6面記事を見せたところ、「本省が了解済みならば認めます」とのご回答をいただいた。その足で、近畿厚生局医療課に赴き、医療課のS氏・T氏に金属副子の取扱いについては健保取扱いも労災と同様でよろしいかを尋ねたところ、「療養費についてはまったく担当外なので、厚生労働省保険局医療課に直接確認していただきたい。厚生局の医療課は療養費のことは関与していない」とのこと。メールで医療課のK専門官に確認を取ったうえで追加の記事にすることとした。近畿厚生局の医療課が「柔道整復療養費についてはまったく担当外である」旨の発言には驚いた。厚労省保険局医療課は地方厚生局医療課長宛てに通知書面を発出しているのだから担当外であるというのはおかしい。しかしながら厚生労働省地方支分部局である近畿厚生局の職員である後輩諸氏を恫喝するほどバカな私ではない。地方厚生局が療養費取扱いに関してはずべて「本省オンリー・マター」というのであればその指示に従い、厚労省保険局医療課療養指導専門官に確認メールを送信しているが、未だに回答はないのだ。
by ueda-takayuki | 2014-08-21 12:37

神戸市から署名問題についての回答書面があった

平成26年7月25日付全柔協入発0725第3号にて署名問題について、神戸市保健福祉局の考えを求めていたところ、これに対する回答書面が平成26年8月12日付けであったところ。回答部局は神戸市保健福祉局高齢福祉部国保年金医療課の発出となっている。
回答内容のポイントを抜粋すれば「今回申し出いただきました署名の方法について、実際の運用として月の最終来院日に署名を求めることは、患者の最終来院日が確約されないことから、署名を行う機会を必ず持てる来院した月の初めに署名を行うこと等についてやむを得ない場合があることも理解しています」と、当方の主張を受け入れる回答となっていた。当方としても、適切な申請を周知していくことの重要性は理解できるので、協力できる範囲内での適正化には努めて参りたいが、物理的に不可能なことは毅然とした態度で保険者に対し「お断り」しなければならない。最近、行政や保険者の対応や指導が誤っていることが多い。お上が間違えることはよくあることだが、業界団体は卑屈になって無理難題を受け入れるのではなく、毅然とした態度で「納得できないものはお断りする」という姿勢が大切である。当方の疑義照会に対し、「だんまり」を決め込んだり無視する行政・保険者が多い中、きちんと書面で回答文書を発出してくれた神戸市保健福祉局高齢福祉部国保年金医療課の対応は評価できるので、当方としても柔道整復師の施術行為と保険請求が評価していただけるよう、信頼関係の構築ができますよう尽力して参りたい。署名問題については、現場の保険者も困っているのだ。署名のタイミングの問題点については、私も厚生労働省や地方厚生局をはじめ、保険者の主だったところに大量に文書に起こして説明し、検討を促してきたところであるが何らの進展もない。政治力がない柔整業界の悲しいところだ。厚生労働省保険局医療課保険医療企画調査室長のT氏が前回の民主党柔道整復師小委員会の席上で「施術内容の確認と受領委任の制度を可能とする署名はいずれも必要であることから、今後現実的な改善方法について検討を行い、改めて提案させていただきたい」と言っていたのに、その後この署名問題は当局から何らの検討結果も提示されず放置されてしまった。担当のT室長も人事異動され現在はK室長になったが、本件署名問題に関する引き継ぎなど、何もなされてはいないのではないか。
by ueda-takayuki | 2014-08-20 13:24

香川県国保連合会の柔道整復審査委員会の返戻には適切に対応します

香川県国保連合会の柔道整復療養費審査委員会は、当方協会に団体返戻すれば、全柔協が一義的には全責任において論理構成を構築し、全件再申請することを嫌い、直接、会員の施術所に返戻をしていたことについては、当方での入金確認が困難となるうえ、会員サービスにも多大なるダメージが生じることから、これを回避すべく元に戻していただくお願いを粘り強く行っていたところである。当方顧問弁護士からも「通知書」を送付し、直接会員あての返戻を止めさせる取組みを行っていた。その結果、会員である施術所あてのダイレクト返戻を止めて、従来通り協会返戻となったので、何より一安心だ。
早速、協会宛てに100枚ほど大量返戻された内容の分析を細かに調査したところ、今回の返戻理由のポイントは、
①医科の診療報酬明細書との突合作業により、「医科との併給」を論拠に返戻
②転帰欄に記載無いものについて「初検料」を認めないとする返戻
③負傷年月日に疑義を申し述べたうえで「部位ころがし」を認めないとする返戻
の3点が際立って多かったところ。具体的には香川県国保連合会の返戻附箋を個別に確認し、反論する基本スタンスのポイントを整理したうえで、会員には反論文書を作成していただき、必ず再申請していただきたい。
本来であれば、今まで通り上田が直接反論文書を書いて差し上げたいが、香川県国保連はあくまで「施術者である柔道整復師ご本人による説明を求める」ということであろう。繰り返すが、会員各位には、何とか文書を作成していただき、必ず再申請していただきたい。そのための助言は全柔協が組織体制で全力で対応させていただきます。
by ueda-takayuki | 2014-08-07 11:45

自賠責の損保会社のフザケタ対応を訴えた裁判で事実上の勝訴判決を得た

大阪鍼灸マッサージ協同組合の関係者である柔道整復師が原告となり、東京海上日動火災保険株式会社を相手取って訴えていた損害賠償請求訴訟の判決が大阪地方裁判所から言い渡され、被告である東京海上日動火災保険株式会社は原告の柔道整復師に対し損害賠償の支払いを命じる判決を勝ち取った。この事件は、東京海上日動火災保険株式会社が、柔道整復師の施術を受けることを希望した患者に対し整骨院に通院しないように指示して原告の治療を妨害し、また、その社会的名誉・信用を毀損する発言をしたとして、原告であるM柔道整復師が被告に対し、不法行為に基づく損害賠償請求の支払いを求めた事件であった。裁判所は、原告整骨院が不当に高額な治療費の請求をしているという被告の発言を認容し、このことは原告の社会的評価を低下させるものであったというべきであり、名誉毀損による不法行為が成立すると判断。被告は原告の社会的評価を低下させる発言(例えば施術料金の取り放題、等)に係る伝播可能性の不存在を主張するも、原告整骨院に通院する患者に対してこれを告知すれば、その内容が一定程度他の者に伝播する可能性があったと認めた。裁判所が名誉毀損による不法行為と伝播可能性を一定程度認めたことから、損害賠償を命じる「原告勝訴」の判決となったものである。近年、柔道整復師が施術に関わった交通事故の保険金詐欺が続発し、詐欺事件として逮捕・立件され、有罪判決が頻発している環境下、各損害保険担当部局は柔道整復師の施術や整骨院を舞台とした保険金詐欺を決して許さずと、一部にはプロジェクトチームを立ち上げ詐欺事件としての告訴を進めているなかで、柔道整復師は肩身の狭い状況に追い込まれていた。事実、これを利用して、一部の保険会社には不払いや支払金額を縮小する動きが顕著になってきたところである。そんな中で今回の原告勝訴の判決は、施術者である柔道整復師にとってはきわめて朗報である。大手損害保険会社の言いがかりや不当な喧伝によって、柔道整復師が施術料金を「取り放題」などと失礼なことを言っている実態はたしかに存在し、大いに反省してもらう必要があるだろう。まじめに自賠責保険を取り扱っている多くの柔道整復師にとっては心強く、励みになる判決であったと言えよう。2年近くの時間を要したが、結果としては真面目に施術に取り組んでいる柔道整復師に対し「取り放題」とか「柔道整復師は治療ができないので単に揉むだけ」との印象を与える発言に対し、M先生が毅然とした訴訟を提訴したものである。損害賠償の支払いを被告である損保会社に認めさせたことは意義あることだ。この裁判に参画できたことを嬉しく思います。
by ueda-takayuki | 2014-08-06 15:10

東京電子機械工業健保組合の“鍼灸施術指示書の提出依頼”について

東京電子機械工業健保組合からの指示により、鍼灸施術に同意した同意医師が発行した書面の提出を求める旨のご連絡を頂いた。確かに、医師は今回の療養費支給申請に関する施術について同意したうえで「鍼灸施術指示書」を発行していることから、この書面の提出を求めるということを指していることは推察できる。しかしながら鍼灸の療養費申請に関する厚生労働省の通知によれば、保険適用とされる6疾患として腰痛症の鍼灸施術について初回請求時に同意書を添付していることから、それをもって支給要件を満たしているという確認が取れているものと考えるのだ。今回、東京電子機械工業健保組合から同意医師に対し確認連絡をされた際に、当該指示書の存在が確認されたとのことだが、これは施術者である鍼灸師が、自身の適切な保険請求に資するために任意に同意医師に発行をお願いしたものであって、あくまで施術者側の保険請求の妥当性を担保する一助として工夫されたものなのだ。このことから、本来、保険者に提出すべき書面ではなく、施術者側の保険請求の正当性を担保する位置付けの内部資料ということができる。今回は電話連絡で東京電子機械工業健保組合ご担当より強く提出依頼があったことから対応することとしたが、仮に今後も施術指示書の提出を求めるということであれば、施術者の内部手持ち資料の提出となることから、何故提出しなければならないのかの説明が必要となる。今後も提出を求めるということであれば、厚生労働省医療課長通知で示された留意事項に存在しない書面の提出を求めることについて、文書による明解な説明を求めたい。その回答内容により、当方にて判断させて頂くこととなる。鍼灸マッサージ療養費の適正化対策として、保険者が「本当に再同意したのですか」と調査を行っている実態に対して、施術者側はきちんと再同意を取っている証しとして、自主努力として「鍼灸施術指示書」を同意医師にお願いしたものである。この書面は再同意を間違いなく得ているということを明確に立証する施術者側の担保としての書面である。本来、保険者に見せるものではない。これが恒常化することは新たな問題提起を引き起こす。保険者には論理的な説明を求めるものである。
by ueda-takayuki | 2014-08-04 14:37

大和証券グループは柔整師の回答では信用できないから患者自筆サインか施術録を求める

大和証券グループ健保組合から返戻対象となった論拠は、療養費支給申請書の摘要欄に「施術内容回答書と支給申請書が相違した理由を被保険者または受診者に自書で記入及び署名を求める」というものであった。
患者照会に係る回答の結果「負傷箇所と施術部位に相違があります。」との理由により療養費支給申請書が返戻され、施術者が申請書の摘要欄にそれぞれ再申請理由を記載し再申請したところ、再度申請書が返戻されたのだ。
すなわち、施術者が患者照会の回答と療養費支給申請書の申請内容との相違点について疑義が生じているとする大和証券グループ健保組合からの再返戻に対しての再々請求の取組みである。このことについて以下のとおり疑義照会するとともに再申請することとした。具体的な再々申請書面は次の通りである。


返戻対象となった申請書の摘要欄に施術内容回答書と支給申請書が相違した理由を被保険者又は受診者に自筆で記入及び署名を求めることについて(再々申請)

大和証券グループ健保組合が行う患者回答の結果、「負傷箇所と施術部位に相違があります。」との理由により療養費支給申請書が返戻され、施術者が申請書の摘要欄にそれぞれ再申請理由を記載し再申請したところ、再度申請書が返戻されました。このことについて以下のとおり照会するとともに再申請致します。
貴健保組合の返戻付箋には再請求する場合の注意として「施術録または受診者ご本人の自筆で、理由、被保険者のサインの記載をお願い致します。」とされています。
貴健保組合が施術者及び施術者団体に求めていることは、保険給付を行うにあたっての健康保険法施行規則第66条に定める申請要件にも、また、厚生労働省保険局が通知で示した「受領委任の取扱規程」にもありません。何を根拠に施術者に対し、“受診者本人の自書による理由、サインの記載”を求めるのでしょうか。根拠がわからないことを施術者が受診者や被保険者に対してお願いすることはできません。
これは本来、保険給付の適正の一環として保険者が行う業務であって、施術者に求められる作業ではありません。厚生労働省所管の健康保険法における療養費の取扱いに係る関係法規等において、その根拠があるのであれば明らかにしてください。
また、施術録の写しの添付を求められたことに関しまして、次の1から7に掲げるとおりの疑義が生じております。

1 施術録の写しを求めることができる根拠並びに当方の基本的スタンス
 保険者が療養費の支給決定に当たって施術録の写しの添付を求めることのできる厚生労働省保険局医療課長の通知上の根拠は、留意事項第6施術録について「2 地方厚生(支)局長及び都道府県知事との協定及び契約又は関係通知等により、保険者等に施術録の提示及び閲覧を求められた場合は、速やかに応じること(※複写・コピーの提出ではない)とされていますが、この規定上で留意しなければならないことは、保険者であればすべからく、どのような理由であっても施術録の提示及び閲覧ができる旨と解釈するのではなく、あくまで“地方厚生(支)局長及び都道府県知事との協定及び契約又は関係通知等により”にある条件によりその提示及び閲覧ができるということだと考えます。つまり、保険医療機関及び保険医と同程度の要件の場合であり、患者に対する守秘義務に係る取扱いは同じであると理解しています。
すなわち、受領委任の取扱いに関する受領委任の取扱規程(社団においては協定)に定めのある事項について、また、保険局長及び保険局医療課長の発出した療養費の算定基準等の療養費の支給金額に関する取扱い事項の範囲内において提示及び閲覧ができる旨の規定ではないでしょうか。
これ以外には、例えば当局が行う監査時においては、当然のことながら施術録の提示及び閲覧を求められることは了解しております。これ等に関する事項の確認のために施術録の提示及び閲覧を求められるのであれば、この通知で示されたと判断される範囲内での提示及び閲覧には、速やかに応じる用意があります。

2 個人情報保護の見地からの問題について
― 個人情報保護法に抵触しないか ―
施術録は、言うに及ばず柔道整復師が行う治療行為などの施術の実施にあたり、個人の身体的特徴や過去に罹患した病歴をはじめとした個人のプライバシーとして保護すべき情報が集約されている書面です。これを開示するにあたっては、個人情報保護法で定めのある各規定を満たしていることの確認が求められます。また、単に被保険者及び被扶養者の「患者」としての個人情報のみならず、施術を行った柔道整復師の施術内容や施術手段等の記載もあることから、施術者の治療行為としてのプライバシーをも保護しなければならない事象が生じます。
施術録等を添付しても個人情報保護法に抵触しないと貴健保組合が判断されることのご見解を求めます。
療養費を支給決定するにあたり、提示や閲覧ではなく、柔道整復師の作成した施術録の写しの添付を求めることができるとする保険者としての貴健保組合の徴求に係る法規上の根拠を明らかにしていただかなければ施術録の写しの添付はできません。
繰返しますが、柔道整復施術療養費支給申請にかかる施術録の写しの添付が、なぜ個人情報保護法上何ら問題なく、なぜ違法性を阻却できるということなのかをご指導願います。

3 施術者の知り得た守秘義務について
上記2とも関連しますが、患者の身体的特徴を含めて、施術開始前、施術中、施術終了後における問診・触診・視診など、患者さんへの一切のアプローチにより知り得た患者さん特有の様々な個人特定情報を、故もなく他言することはできません。
患者さんに施術するにあたっての知り得た情報は、他に洩らしてはならないことは、施術者である柔道整復師も医療の一端を担っていることから、医科と同様、守秘義務を負っています。
柔道整復師には柔道整復師法第17条の2に基づく守秘義務が課せられています。さらに厚生労働省が定めた個人情報保護法に関するガイドラインには、施術録は患者の個人情報と治療の方針や処置法・治療法等施術者の大切な知的財産ともいうべきものが含まれているのです。柔道整復師の施術の方法や手技技術等を含む治療方針及び処置法並びに治療方策等の知的財産をむやみに口外できないのは当然のことなのです。
仮に、柔道整復師が法に定められた秘密を守る義務に違反したことにより患者から訴えられ、罰せられることを何をもって保証担保しているのでしょうか。
ことさら、柔道整復師には守秘義務など議論するまでもなく、保険者が施術録の記載内容を外部に持ち出させること、すなわち療養費支給申請書に施術録の写しを添付させることの正当な理由の法律根拠が果たしてあるかどうかです。 
この点についても御教示願います。

4 厚生労働省の運用通知上の取扱いについて
― 保険局長及び保険局医療課長の発出通知との関係 ―
受領委任の取扱いにより通知された受領委任の取扱規程の第3章保険施術の取扱い20(施術録の記載)によれば、柔道整復師は、受領委任に係る施術に関する施術録をその他の施術録と区別して作成し、必要な事項を記載した上で、施術が完結した日から5年間保存することとされています。また、受領委任の取扱規程第8章指導・監査38によれば、「開設者、施術管理者及び勤務する柔道整復師は、厚生(支)局長と都道府県知事が必要があると認めて施術に関して指導又は監査を行い、帳簿及び書類を検査し、説明を求め、又は報告を徴する場合は、これに応じること」との規定に基づき、厚生(支)局長と都道府県知事が行う個別指導又は監査の実施においては、当然のことながら施術録等の提示を拒むことなく、行政の指示に従っているところです。上記1でも触れましたが、当方といたしましては、留意事項第6施術録について2 にあるとおり、医師等の場合と同様に監査時においてだけ、提供が法的に認容されるものと認識しております。
すなわち、ここでは療養費支給申請書の支給決定事務にあたって、「施術録の写しの添付を求めることができる」とは記載されていません。つまり、「協定及び契約又は関係通知等による」どのような確認を行いたいのかの明快な主張を貴健保組合よりご提示いただけない以上、保険者からの一方的な依頼に基づく施術録の写しを提供することはできないものと思料します。
 
5 厚生労働省令上の要件について
療養費の支給を受けようとするときは、厚生労働省令である健康保険法施行規則第66条に掲げる事項を記載した申請書を保険者に提出しなければなりません。施行規則に掲げられている必要事項の記載はすべて満たした申請書により支給申請を行っているところであります。よって、厚生労働省令上は何らの不備・齟齬もありません。
次に、柔道整復施術療養費の取扱いを定めた厚生労働省保険局長通知である受領委任の取扱い及び同局医療課長通知である留意事項の関係通知において、施術録等の写しを療養費支給申請書の審査事務にあたり、提出を求めることについて考えてみます。
受領委任の取扱規程上では、保険者が療養費支給申請書の事前点検を行い、申請書に不備がある場合は、柔道整復師に返戻することと定めており(第4章 療養費の請求 26申請書の返戻)、このことから、返戻できるのはあくまで“不備返戻”であります。
法令及び関係通知では、申請にあたり、施術録等の写しの提供を義務付けられていないことから施術録等の写しが提出されなくとも“不備”ではないのです。

6 医科・歯科・薬価調剤の保険請求との対比について
  保険医療機関が各都道府県国民健康保険団体連合会あてに診療報酬明細書(以下、「レセプト」という。)の提出をもって保険請求するにあたり、医科等のレセプトに施術録の写しの提供を求める国保審査会並びに国保の保険者はありません。実際に、保険者としても既出の2(個人情報の保護)及び3(施術者の守秘義務)に掲げた観点から、医科等のレセプトには施術録の写しの提供は求めてはいません。裁判所の命令がない以上、その提出は不可です。
柔道整復療養費は協定又は契約により現金給付でありながら、実質は医科同様の現物給付に非常に近い取扱いとなっています。
医科等のレセプトには何ら提出を求めることのない施術録の写しを、なぜ柔道整復施術療養費についてだけはその提供を求めるのかご説明ください。

7 医科本体の取り扱いに見る“カルテコピー提出の論理破綻”の実例の参考
最後に、参考までに医科本体における施術録の写しの提供が法令上においてはまったく認知されていない具体的実例をここに供します。
これは、医科の個別指導時にカルテコピーの提出を強要されたものです。埼玉県で行われた個別指導にあたり、カルテコピーの提出は法令上の根拠がなく、提出を断っても何らの不利益も生じさせることがないことが報告されています。逆に、これを提供することは患者情報の厳重な管理に反することになることの注意です(別添1及び2)。
地方厚生局によるカルテの閲覧は、被指導医にとっては個人情報の第三者への提供になります。平成25年10月22日付け厚生労働省保険局医療課医療指導監査室長から発出された「保険医療機関及び保険薬局並びに保険医及び保険薬剤師に対する個別指導における診療録等の閲覧の拒否に係る対応について」と題された事務連絡では、個人情報保護法第23 条「法令の定める事務の遂行に協力する場合」に該当し、法に抵触しないとしています。
しかし、「法令の定める」という点からみますと、個別指導は健康保険法の第73 条には、指導を受ける義務はあるがカルテ閲覧の規定はありません。法律の条文でカルテ閲覧の規定があるのは、第78 条の監査についてのみです。つまり、個別指導でカルテ閲覧を示している事務連絡の実施要領は法令ではないため、個人情報保護法第23 条は適用できません。
 添付資料にも記載のあるとおり、個別指導は行政指導であり、事務連絡にあるカルテ閲覧はあくまでも行政指導への協力であり、するしないは任意ということなのです。
医科の個別指導における取扱いでさえ、監査時を除き、単なる個別指導の席上においても施術録の写しの提供は公然とは認められていないと言えることから、慎重な対応が望まれるところです。
医科ではこのように個別指導時の施術録の写しの提供が議論になるのです。当方といたしましては、そもそも既出の4(厚生労働省の運用通知上の取扱いについて)で詳細に述べましたとおり、地方厚生(支)局長と都道府県知事が行う個別指導又は監査の実施においては、当然のことながら施術録の提示を拒むことなく、行政の指示に従っているところです。貴健保組合がこのことを求める法的論拠が皆目判断できないことから、その説明を求めるものです。

 いずれにしても施術録の開示にあたっては、2(個人情報の保護)及び3(施術者の守秘義務)でご説明した観点から、少なくとも患者さん本人と施術者の了解を要するものと思われます。この点は個人情報保護や医療従事者の守秘義務に関する裁判判例を持ち出すまでもなく、当然ながら保護されて然るべきものであると考えます。
施術録は療養費請求の根拠となるものであることから、保険者から施術内容について調査照会のあった場合は直ちに答えられるよう常時整備しておくことが求められることは大切であり、当方も事あるごとに施術録の整備については会員に対する保険指導の中で行っているところです。
施術録の写しの添付はその対応如何によっては「人権侵害」にも直結する重大事案であることから、その取扱いには慎重さが求められるのは当然です。
以上のことからそのまま再申請させていただきます。
 尚、疑義事項等について具体的な例示をしていただければ、柔道整復師が施術録などの記載事項に基づき、文書回答をすることは吝かではないことを申し添えます。  
 受領委任の取扱規程に無い患者本人の記載やこれに係る自筆の患者署名を求めるというのは、柔道整復師のコメント記載を一切信用していないとの主張ではないか。施術録は施術者の知的財産であり、また、患者の個人情報保護の見地からもコピーの添付は認められないのではないか。もちろん保険者は、保険給付の決定に当たり、必要に応じて施術録の提出を求め、閲覧する権限を有する。しかし、「提示を求め閲覧することができる」ことと「療養費支給申請書にコピーの添付を求める」ことは、まったく別ものだと上田は考える。
by ueda-takayuki | 2014-08-01 13:48

上田たかゆきオフィシャルブログ


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