ワールド健保組合が被保険者及び患者に対し「治療内容(負傷原因)についての回答書」を求めているが、この書面中の「この回答書は整骨院等へ相談せずに、必ずご自身でありのままの状況を記憶の範囲内でご記入ください。」との記載内容について、当団体及び会員たる柔道整復師として納得できないことから説明を求める。患者が調査回答書の書き方がわからないということで、柔道整復師にその記載内容について相談することは患者に与えられた当然の権利であり、それを否定することはできない。回答の仕方がわからず困っているのであれば、それを支援するのも柔道整復師に認められている行為である。それを裏付ける資料として、平成11年10月20日付、厚生省保険局保険課長補佐が発出した文書(内かん)をよく読んで勉強してもらいたい。この厚生省の内かん文書では(別紙)1 において「また、患者などが当該照会の回答を行うに当たって、自ら柔道整復師に問い合せを行うことも差し支えないものであり、これを否定するような表現も適切でないこと。」と明記されているとおり、回答するにあたって患者が柔道整復師に記載内容についてお聞きすることは何ら問題ないとされているのだ。このことから、ワールド健保組合の当該調査書の書面中に記載のある「この回答書は整骨院等へ相談せずに、必ずご自身でありのままの状況を記憶の範囲内でご記入ください。」との記載内容については明らかに問題があると考え、ワールド健保組合の見解について照会させて頂く。保険者の言い分は「患者と柔道整復師が相談すれば“口裏合わせ”をしてしまうと思っているのであろう。そうなれば返戻理由が見いだせず療養費を支給せざるを得なくなり回答書が返戻の根拠にならなくなるので「整骨院に相談するな」となる。結局、現行の受領委任の取扱い(けっして“制度”ではなく、単なる取扱いである)のフレームである保険者との信頼関係のもと、という基本理念がすでに崩壊しているということだ。そうすると、受領委任の取扱いも先がなく、近い将来には被保険者・患者からの要望に基づき保険局長通知一本で「廃止」されることも十分あり得るのである。