大阪薬業健保の外部委託点検のあり方を近畿厚生局に指導していただく旨の書面発出し行政指導を依頼した
2018年 12月 18日
全柔協専発1211第1号 平成30年12月11日 近畿厚生局保険主管課 御中 全 国 柔 整 師 協 会 専務理事 上 田 孝 之
保険者が外部委託点検業者に委託して行う柔道整復師の施術に 係る患者調査についての行政指導の要請について(依頼)
私ども全国柔整師協会(以下、「当方」という。)は全国に4,100人を超える柔道整復師の会員で組織されている厚生労働大臣認可の協同組合を構成しており、療養費の請求にあたっては、国が契約に係る受領委任の取扱いを通知により運用し始めた昭和63年以前より、患者と共に代理受領を「全国柔整師協会」として委任払いを実行して参りました。 また、公益部門事業にあたっては「公益社団法人 全国柔整鍼灸協会」が、柔道整復師、はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師の施術に係る支援として施術を受ける患者さんのお力になれるよう、日々活動しているところです。 さて、柔道整復師が行った患者さんに対する施術につきましては、健康保険法の給付では「療養費」ということで、健康保険法第87条に基づき、そして、支給申請書の提出にあたっては、健康保険法施行規則第66条、厚生労働省保険局長通知による受領委任の取扱規程、また、実施上の運用にあたっては同局医療課長通知による留意事項等の運用通知及び同省保険局医療課が発出する疑義解釈資料の事務連絡等に基づき、全国一律の事務取扱により支給決定されております。 しかしながら、大阪薬業健康保険組合(以下、「健保組合」という。)の被保険者及び被扶養者が柔道整復師の施術を受けた場合には、健保組合独自の保険者決定により、外部委託点検業者が健保組合の業務の一部を代行して患者照会を行っています。 このことについて、株式会社 コアジャパン(以下、「外部点検業者」という。)に業務委託し行われている患者照会に係る請求内容を当方で縦覧確認したところ、疑義照会の必要性のある多部位、長期、高い頻度の施術や部位転がしの傾向は特段見受けられませんでした。にもかかわらず患者照会の対象とされていることにつきましては、正に柔道整復施術に係る受療の抑制を目的としたきわめて悪質な照会であったものと強く抗議する意味で、当方より平成30年7月18日付全柔協入発0718第1号をもって書面で照会いたしました(別紙1)。 これに対し、健保組合から平成30年8月1日付大薬阪発第209号をもって回答がありました(別紙2)が、これによれば当方が疑念を抱いている患者照会を実施する対象者の選定に誤りがあるのではないかとの指摘には答えず、一般論としての回答に止まっているものでした。健保組合からの当該回答書面には「選定対象基準を定め、選定対象範囲を設定のうえ、適正な取扱いを行っております。」と記載されていることから、当該選定対象基準及び選定対象範囲の開示を求める必要性が生じました。この新たな疑義、すなわち当該回答内容は当方の疑義内容に直接答えられたものではなく、ごく一般論として、平成24年3月12日付 厚生労働省保険局担当4課長による通知と比較して平成30年5月24日付の事務連絡の内容と考え方には特段の相違がないことから、運用上の解釈が変更されたものではないことをことさら強調されているだけでありました。 当方はそのようなことを確認したいわけではなく、厚生労働省保険局4課長通知発出から厚生労働省保険局4課の事務連絡発出までの間に、当該事務連絡を発出しなければならないほど、保険者による患者調査が実施され、施術者と患者との間での信頼関係に水を差すほどの内容であったことに着目し、その直接的要因が外部点検業者によるものであることを問題視したことによる適正化方策であることを厚生労働省当局(保険局医療課が直接の窓口)が問題視したからこそ、関係部局の保険局4課の事務連絡として発出されたものであることを主張したところでした。 具体的には、外部点検業者が行う嫌がらせとも思える程の集中的な患者調査が行われた結果、厚生労働省の適正化方策の考えとは裏腹に、例えば1部位でも照会し、例えば1日のみの施術実日数であっても調査を行うなどの、きわめて行き過ぎと思われる事例が生じている実態に鑑みて、事務連絡が発出されたものであります。厚生労働省として、あえて専門の相談窓口として「保険局医療課内 柔道整復療養費被保険者等への照会担当」を置き、不適切な被保険者等への照会の連絡票により、行き過ぎた患者照会を実施する外部点検業者の実態を把握する必要性があることを認識したうえでの事務連絡であることが明らかであることを、当方発出の書面である平成30年8月23日付全柔協入発0823第2号の書面中で明らかにしたところです(別紙3)。 当方からも事務連絡にある相談窓口として指定されている厚生労働省保険局医療課内柔道整復療養費被保険者等への照会担当あてに「不適切な被保険者等への照会の連絡票」により情報提供しておりますが、当該相談窓口からは何らのご連絡もいただけない現況にあります。 当方からの指摘にはまったく耳を貸さずに、最終的には健保組合から平成30年11月12日付 大薬阪発 第390号(別紙4)をもって回答があり、監督官庁である厚生労働省から健保組合に対して何らの指導等が為されていない現状においては、健保組合が行う外部委託点検業務による患者照会のあり方には何らの問題もない旨の書面交付を受理したところです。この中で「今後は回答を差し控える」との記述もあることから、健保組合は対応を放棄することを宣言しております。 以上の事実をもって、実際の当該健康保険組合を指導する立場にある近畿厚生局保険主管課から大阪薬業健康保険組合に対しての本件取扱いに係るご指導を求めたいと存じます。 参考までに、 ① 当方発出の平成30年8月23日付全柔協入発0823第2号に対する健保組合の回答書面 ② 当方発出の平成30年10月11日付照会の督促文書 ③ 当方から健保組合理事長宛てに発出した通知書 を提出いたします。 また、何らかの事情により貴局から健保組合への本件に係るご指導が困難である場合や、そもそも当方からの依頼が的を得ていないとご判断される場合、行政指導の担当部局の相違など、貴局において対応不可である場合には、お手数ながら書面にて当方宛てにその旨ご回答・ご連絡をいただきたいです(返信用封筒を同封いたします)。 貴局が当該健保組合に対し外部点検業者に委託して実施させている患者照会の実態に係る当方が調査した具体的な関係資料は、施術者情報や患者の個人情報であることから個人情報保護の見地から本紙面に添付することを差し控えますので、必要があれば別途、当方から貴局まで持参のうえ赴く用意があることを申し添えます。 ご多忙中のところ誠に恐縮ではありますが、本件対応方、書面をもってご依頼申し上げます。 以 上 |