酒フーズ健保組合は同意書交付料が医科で減額査定されたなら再同意は無効だ!とでもいうのか

酒フーズ健康保険組合が医科の診療報酬明細書を確認したところ、社会保険診療報酬支払基金における、療養の給付としての医科レセプトで算定した「療養費同意書交付料」が減額査定されていたことをことさら強調して返戻してきたのである。健保組合が「その他」として、返戻書面の中で4行にわたり記載された返戻理由は意味が不明なのだが、おそらくは、標題に記載したとおり、医科における同意書交付料が減額査定され、認められなかったことを重要視し、そうであるならば医師の同意自体が「医学的根拠がないのではないか?」という論理構成に起因する返戻と思われるのだ。だからこそ、再度医師の診療を受けた上で、医学的判断を施術者側に求めることを意図した返戻となっているのである。
 しかしながら、この指摘はまったくもって的外れである。なぜならば、医師による適当な治療手段のないというものは、具体的にいうと通知で示された6疾患等を指すものであり、本件は疾患名が腰痛症であることからすでに要件を満たしている。
 本件の請求にかかる初回請求時においては、かならず医師の同意書を添付しているわけであり、その同意書交付にあたっては当然のことながら、患者は医師の診察を受けた上で同意書を交付されている。
 このことから、医師法第20条に規定のある、“無診察診療の禁止”の概念はクリアされているわけであり、初療の日から3月を経過した以降の請求分(再同意にかかる請求分)は、厚生労働省の保険局の通知によれば、同意書の添付は不要であり、口頭でも電話でも認められているものだ。本件においては、腰痛症に対しての診断同意書が添付されており、まさしく療養費の支給要件を満たしていることから、不備返戻には該当しないと思われる。
 よって、医科のレセプトで療養費同意書交付料が減額されたことをもって、本件同意が無効になる取り扱いではないのである。 
 また、当該返戻分にかかる実日数は、わずか1日のみであり、過剰・重複というのはなにを指摘されているのかも不明である。再同意した医師に対しても、医師が「医学的判断に基づいてなされた同意と認められない」というのは、きわめて失礼な主張であると強く抗議する。いずれにしてもこの度の返戻は返戻理由になっていないことから再申請する。
 仮に、酒フーズ健保組合として、支給の要件を満たしていないと判断するならば、正式に不支給決定を起案して、不支給決定をすることが保険者業務ではないのか。
 以上のことから、柔道整復師という施術者側においてはなんらの不備もないことから、早急なる支給決定を求める。上田が大阪府社会保険診療報酬支払基金に赴き、同意書交付料が減額査定された場合の療養費の取扱いについて、外科・整形外科の審査員と議論したところ、支払基金の審査委員が申し述べるには「療養費の支給決定に支払基金の審査員が口を挟むものではない。我々は医科レセプトで請求のあった同意書交付料を認めないとしただけであって、療養費のことをコメントする立場ではない」といわれたことを思い出した。同意書交付料が減額査定されたことをもって、療養費支給申請における医師の同意が関連して無効となることはないのである。
by ueda-takayuki | 2016-08-08 12:34

上田たかゆきオフィシャルブログ


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