広島県国保審査会は長期施術には整形外科受診を勧めるよう求めるという

広島県国民健康保険団体連合会に置かれる広島県国民健康保険柔道整復療養費審査委員会の審査の返戻で、その返戻附箋によれば、長期理由に違和感がみられる、又は長期理由に腫脹が著明であるとの施術者の記載をもって整形外科への受診を勧めるよう求められているのだ。しかし、これが不備返戻理由と認めることはできない。柔道整復師は捻挫及び挫傷の施術にあたっては、自身の見立てにより施術することが認められており、医師に施術の同意を求めるものではない。また、医療従事者として整形外科への受診を要するのであれば、必要に応じて整形外科への受診指導などを行っているのが通例なのだ。整形外科への受診を勧めるかどうかは柔道整復師の判断であり、その必要がなければ自ら施術を継続するのは当然である。整形外科への適正な受診を勧めるのは保健事業としての保険者業務であり、柔道整復師の業務ではない。また、このような審査委員の指摘は患者さんが有する医療選択の自由の権利を奪い、医科に受診するように仕向ける方策と捉えられる可能性があることを危惧する。何の具体的な指示もないまま整形外科への受診を要求するなら、誤った審査である。これ以上、理由のない返戻は止めてほしい。こんなことは到底不備返戻にはあたらないと上田は考える。整形外科への受診を強要する審査委員は学識経験者での枠で委嘱される整形外科医である場合が多い。本来、第三者的な位置づけで審査委員を委嘱される学識経験者は患者の立場に立った、患者の意見を述べる者である。患者代表として施術をすすめる立場を期待されているにもかかわらず、その任に整形外科医が就任していることから、逆に柔道整復施術を抑制・規制することを目的に返戻を繰り返すのが現状なのだ。
by ueda-takayuki | 2014-09-29 16:05

上田たかゆきオフィシャルブログ


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