東京都後期高齢者医療広域連合の被保険者に係る柔整療養費が2年の消滅時効を迎えるにあたってひと言コメントしたい

東京都後期高齢者医療広域連合並びに東京都国民健康保険団体連合会柔道整復療養費審査委員会に対し、2年の消滅時効を迎える柔道整復療養費の取扱いについて一言コメントをしておきたいのです。柔道整復施術療養費に係る消滅時効の該当事案についての上田からの解説ですね。

当方会員の施術管理者である柔道整復師から提出のあった柔道整復施術療養費支給申請書については、消滅時効2年の期限が、最も早く到達するものにつきましては、今月をもって時効が成立する極めて時間的余裕が無い事象であることにつきまして、当方より令和3年10月29日付け全柔協入発1029第1号をもって、その詳細をご説明申し上げたところです。今般はこの重要性について、更なる解説をさせていただきますね。
療養費を請求できる権利は健康保険法第193条により権利を行使することができる時から2年を経過したときは、時効によって消滅すると時効が明記されています。これを国民健康保険法第110条でも、また、高齢者の医療の確保に関する法律第160条においても同様であることから、協会けんぽや健保組合のみならず、国保も後期高齢者医療も等しく医療保険各法において時効は2年となっています。時効の起算日の「権利を行使することができる時」とは、昭和32年1月の厚生省保険局健康保険課長回答により「各施術日における施術料金にかかる療養費につき、それぞれ当該日に施術代金の支払が行われたものとみなして、それぞれその施術日の翌日から起算するよう取扱われたい。」のとおり運用されています。このことから、療養費請求権の消滅時効の起算日については何らの疑義も生じないのですが、施術日の翌日から2年以内に療養費支給申請書を提出しても、本事案のように柔整審査会の審査で不備返戻されたり、柔整審査委員会の審査を経た後、保険者において不備返戻されたりすることがあります。特に、柔整審査委員会において度重なる再申請を受け、その後何度も返戻を繰り返された結果、柔整審査委員会における返戻時において施術日の翌日から起算して2年を経過するタイミングであったり、また、この不備返戻を受け、施術管理者からの何度目かの再々々々申請の段階においてはすでに2年を経過していたりする場合があろうかと存じます。本件はまさにこの事象に該当する危険性が極めて高い状況におかれているものです。審査会と施術管理者間で申請書が何度も繰り返し行き来したならば2年の消滅時効は実際問題として発生しているところです。この不利益を考えなければなりません。
審査会や保険者が不備であるからこのままでは支給決定できないと判断され返戻された事案について、施術管理者が疑義に答える形で補正・修正等を行い再申請したことが繰り返されるという時間経過の中で消滅時効を迎えたならば、もう保険請求は認められないのでしょうか。
当方が関係部署に確認したところ、被用者保険である協会けんぽと健保組合は、時効の援用については民法の適用になりますから、時効を援用するかしないかは保険者側の判断になります。具体的には、2年以内にきちんと受付をしたならば、受付けた事実をもって時効の更新(改正前の民法では時効の中断の要件の”承認”があったとして)を認めるところが多く、協会けんぽの審査会も保険者が時効を援用しないのであれば、特段消滅時効の成立をもって不支給処分にすることは無いようです。なぜなら、全国健康保険協会及び健康保険組合は、保険者の判断で消滅時効による利益を放棄し、療養費請求権の消滅時効の成立後に被保険者に対して療養費を支給することを妨げるものではないからです。
一方、国保と後期高齢者医療に係る審査・支払事務を受託している国民健康保険団体連合会の柔整審査会と各保険者等は、地方自治法第236条第2項(同法第292条の規定により準用する場合を含む。)により、消滅時効の利益を放棄することはできないものとされていることから、被用者保険とは異なり、時効の援用は不要であり、時効利益の放棄は不可であることが法律上明らかなので、審査会や保険者等と施術管理者間での支給申請書のやり取りに時間を要する場合、確実にトラブルになることに十分留意する必要があります。
以上のことから、先に申し上げたとおり前回の再々々申請について、ご説明した全柔協入発1029第1号を十分ご理解されたうえで、被保険者及び施術管理者に不利になる取り扱いを回避する事務処理の徹底を強く求めたいと考え、所要の書面を作成し関係者に発出しておきました。



# by ueda-takayuki | 2021-11-25 14:57

医科学的にどんなに尽力しても柔整師やあはき師は立法的取り組みと行政の援用がなければ医療とは認められない

 私は何としても柔道整復療養費を業務拡大の方向性を唱え、過去から慢性疾患を柔道整復師が医師の指導監督の元に療養費で取り扱えるように保険施術ができる仕組み作りの必要性を訴えて活動してきました。しかし、多くの業界人からのご理解を得られませんでした。柔道整復施術は急性期の外傷性に限定されていることから、これを慢性期の運動器疾患に係る疼痛除去に特化した運用に拡大転換するには、どうしても現行の枠組みを突破らう必要があり、それには何といっても立法の力が不可欠です。だからこそ、参議院議員選挙や衆議院議員選挙に出馬してみたのですが、業界の多くの方々のご理解をいただけませんでした。どんなに地道に臨床での努力を重ねても、医療従事者と認められないのであればもう先行きは全くありません。これ以上、慢性疾患を保険適用に拡大していくことを進めても、決して実現できないことを痛感させられています。そうすると自費の導入を考えるしかないではありませんか。自費施術の拡大しか生き残る道はないのは情けなく辛いのですが、療養費はこれからも毎年100億円ずつ減っていきますから何の将来性も見いだせないのですよ。


# by ueda-takayuki | 2021-11-19 11:46

島根県で運用されている医用情報のネットワークに柔整あはきが参入することについて検討をしていただける旨の回答あり

NNPO法人しまね医療情報ネットワーク協会事務局から、柔整師やあはき師の医用情報ネットワークサービスへの参入についての回答がありました。検討させていただきますとのことです。しかしながら、昔、私が中央官庁で仕事をしていた時の経験からして、霞が関用語としては、「検討させていただきます」とは「何もいたしません」ということなので、どうなのか不安です。しばらく様子をみてからまた直接確認することといたします。


# by ueda-takayuki | 2021-11-10 11:08

出張専門マッサージの療養費支給申請書で往療料を算定しないで施術料金だけを申請することは何らも問題はないのだ

マッサージの出張専門が往療料を請求しないで施術料だけを療養費として支給申請した場合に、これを認めないとする事例が秋田県であったとのことです。私どもでも同じような取扱いを、以前、伊丹市役所が行っていたことから、抗議してこれを改めさせた実績を活動報告や鍼灸柔整新聞のコラム欄に上田が掲載していますので、これらを参考にしていただきたい旨、周知しておきました
# by ueda-takayuki | 2021-11-10 11:04

療養費の消滅時効と保険者における消滅時効の援用について整理が必要だ

療養費の消滅時効の基本的考え方について弁護士と打合せをしてきました。民法が改正されて、時効の中断は「時効の更新」、そして債権消滅時効の停止は「時効の完成猶予」と法律用語が改正されたとのことです。健康保険法は公法であっても、保険者が2年をもって消滅時効を援用するならば、施術費用を支払った施術日の翌日から起算してそれぞれ2年経過で請求権が消滅します。私の方で顧問弁護士からの助言をもとに保険給付を受ける権利の消滅時効について整理してみます。
# by ueda-takayuki | 2021-11-10 11:01

上田たかゆきオフィシャルブログ


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