カーリット健保組合が鍼灸療養費に添付した医師の同意書は患者に頼まれただけだからとの理由により不支給とされた処分が審査請求により取り消され支給される運びとなる

 鍼灸療養費に添付した医師の同意書について、カーリット健康保険組合が医師に文書照会して回答を求めたところ、単に患者の希望によるもので、医師の医学的判断もなされておらず、患者の症状の経緯等からも判断されていないことから、医師による適当な治療手段のないものと認められず、やむを得ないものと認めることができないため不支給処分とされた。この不支給処分に被保険者が不服であることから、当方において上田が審査請求代理人として審査請求したところ、当方の主張が認められて不支給処分が取り消された事件の決定書の送付があった。

 関東信越厚生局の社会保険審査官は決定書の中で、審査官の判断の一部を抜粋して掲載すれば、「本件についてみてみると、療養費支給申請書及び当該医師の同意書によれば、請求人は、当該医師の同意書を療養費支給申請書に添付の上、当該被扶養者が本件申請期間において当該施術を受けたとして、本件申請をしたことが認められる。そして、当該クリニックの診療報酬明細書によれば、当該疾病に係る記載は見当たらないが、当該医師の回答書1によれば、医師は、「令和212月分の診療報酬明細書に記載されている傷病名は『左足第4中節骨骨折 右膝捻挫』となっておりますが、傷病名『神経痛』に対し施術同意をされております。『神経痛』に対し施術同意をされた医学的ご見解についてお教えください。また、診療を行わず患者等の依頼により同意された場合には、その経緯をご記入ください。」との照会に対し、「②につきまして、患者より問診・診察を触診、検査をレントゲンにて施行 その結果、骨折はないと判断し、靱帯由来の疼痛である『捻挫』とその部位以外の膝窩部~外側部にかけて疼痛と圧痛を認めたため、腰椎・腰髄由来の『神経痛』と判断しました。しかしながら、初診時の日付で『神経痛』と記載することを忘れてしまいました。」としていることから、当該被扶養者は当該クリニックにおいて、当該疾病により診察を受けていることがうかがえ、また、当該医師の回答書2によれば、当該医師は、「はり・きゅう施術同意」について、施術に同意された理由を「適当な治療手段がないと判断したため」及び「患者より同意書発行の依頼があったため(患者希望)」と回答し、この回答の経緯について、「当院において他の患者同様、鎮痛剤(内服・外用)、注射など、神経痛に対する手段・方法が適応あると考えますが、他医にて施行されたのか、以前の経験によるものか、初診時より、整形外科的な治療の手段は希望されなかったため、当院においては、同意書を発行し、はり、きゅうを同意致しました。(慢性的に続いている症状であり、それに対して、整形外科的治療を希望されなかったということです)」と回答しているところ、課長通知によれば、6疾病については、保険医より同意書の交付を受けて行われた施術であれば、医師による適当な治療手段のないものとして療養費の支給対象として差し支えないとされていることに加え、当該医師の同意は、医師の医学的所見、症状経緯等から判断して発行されたものと認められ、前記課長通知に則ったものであると言わざるを得ない。したがって、本件申請期間における当該疾病に対する当該施術は、療養費の支給要件を満たしていると認められることから、請求人に対し、療養費を支給することができると判断する。そうすると、原処分は妥当ではなく、取り消さなければならない。」と決定されている。すなわち、被保険者の代理人である上田の主張どおりに原処分が取り消されて、支給されることになった。


# by ueda-takayuki | 2022-11-21 15:13

協会けんぽ滋賀が鍼灸療養費で6疾病以外の傷病名では取り急ぎ一律に不備返戻するフザケタ事務処理をしていることに強く抗議しておく

全国健康保険協会滋賀支部からのはり・きゅう療養費支給申請書の不備返戻に対し、まったく納得ができないことから強く抗議するとともに、改善を求める文書を作成の上、療養費支給申請書を再申請したところだ。協会けんぽ滋賀から、はり・きゅう施術療養費について「保険医による適当な治療手段のないものとしては認められませんので申請書をお返しします。」との理由により療養費支給申請書が返戻された。しかしながら、具体的になにをもって医師による適当な治療手段のないものと認められないのか、施術者に対してなにを求める不備返戻なのかが不明であったため、当方側より協会けんぽ滋賀へ問い合わせたところ、「滋賀支部では、はり・きゅう施術療養費について、6疾病以外のものについては保険医による適当な治療手段のないものとして認められないとして一律に返戻している。」という回答があったところである。

 たしかに、本件同意書に記載されている傷病名は頸椎症であり、6疾病ではない。しかしながら、厚生労働省保険局医療課長通知で示された留意事項において、神経痛、リウマチ、頚腕症候群、五十肩、腰痛症、頸椎捻挫後遺症以外の疾病、いわゆる6疾病以外の疾病により同意書が提出された場合は、「記載内容等から保険医による適当な治療手段のないものであるか支給要件を保険者が個別に判断し、支給の適否を決定する必要があること。」とされている。「6疾病以外だから保険医による適当な治療手段のないものとして認められない」と傷病名だけを見て一律に不備返戻をするのではなく、療養費としての支給要件を個別に判断したうえで支給の適否を決定する必要があるということだ。

 医療課長通知で示された6疾病以外を保険者判断として療養費の支給対象とするかどうかの具体的な判断論拠は、6疾病以外といえども患者の症状に着目した場合、その病態として疼痛が生じているかどうか、また慢性病としての経過をたどるものであるかどうか(現段階で慢性の状態にあることを必ずしも求めない)ということで、神経痛とリウマチ、そしてこれに症状が類似する類症疾患としての頚腕症候群、五十肩、腰痛症、頸椎捻挫後遺症と同様か、または類似する症状に着目すればよろしいことになる。

 今回の頸椎症での施術にあたっては、施術管理者としての判断で慢性の経過をたどることが明らかであり、かつ、患者は疼痛等の痛みを主症状として挙げられていることから、類症疾患に準じた取扱いが求められることから、当方としては、医師による適当な治療手段のないものとし、本件の頸椎症が療養費の支給対象として認められるべきものであるとの確たる認識をもっている。

 なお、本件については、当方より返戻理由の詳細を問合せた際、全国健康保険協会滋賀支部加入以前の施術月について、京都支部より同一の傷病名における鍼灸施術療養費の支給履歴があるため、そのまま再度申請するようにとの指示を受けたところであったが、今後も同様に「6疾病以外なので保険医による適当な治療手段のないものと認められない」と返戻された場合、どのように再申請すればよいのか確認したところ、「今回のように連絡して再申請していただければ、保険医に照会をかけるなどしたうえで判断する」という回答であった。しかしながら、先述した留意事項に則って、6疾病以外なので、保険医による適当な治療手段のないものであるかどうか傷病名からは判断できないということであれば、何らの確認作業も行わずに一律に不備返戻とするのではなく、保険者業務として内容を確認したうえで個別に判断していただきたいところであることはいうまでもない。

 以上のことから、再申請するとともに、今後の協会けんぽ滋賀の対応について改善を求める。  



# by ueda-takayuki | 2022-11-15 10:56

広島市佐伯区役所保険年金課が国の事務連絡には従わないとする独自の考えにより一部負担金欄を「0円」とすることを強要する返戻をしてきたことに抗議する

 広島市佐伯区役所保険年金課あてにあんま・マッサージ施術に係る療養費支給申請書を提出したところ、不備として返戻となりました。返戻理由は「公費ありで自己負担のない場合は、一部負担金欄は0円としてください。」との内容でした。このことについて、国の通知通りの一部負担金欄への記入を行った施術管理者に対して、広島市の独自の運用により不備返戻をされたことに対し強く抗議するとともに再請求を行ったことを報告する。

一部負担金欄の記載内容については、令和4年6月29日付で厚生労働省保険局医療課より事務連絡として発出された「『はり、きゅう及びあん摩・マッサージの施術に係る療養費の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について』の一部改正について」において、記載内容が変更されたことからその通知に従って当組合のシステムを対応させたところである。

これまでは同事務連絡の(問118)にて、療養費支給申請書の「施術内容欄」の「一部負担金」欄には、患者等から徴収した金額を記入することとされていたのだが、今般の一部改正の事務連絡において「一部負担金」欄の金額は、「施術内容欄」の「合計」欄の額から「請求額」欄の額を差し引いた金額を記入することに改正された。すなわち、患者が公費をもっており自己負担のない場合であっても、合計欄に記載している金額から貴区へ請求する金額を差し引いた金額を一部負担金欄に記載することになるため、0円と記載することは誤りなのである。広島市佐伯市役所の担当部局は厚生労働省保険局医療課発出の当該事務連絡を見ていないのか、それとも理解できないのかだ。

本件返戻について、当方側より広島市佐伯区の担当者へ問い合わせたところ、「佐伯区の情報として、重度障害とひとり親の公費を持っている人は一部負担金欄の金額を0円と記載することになっている。」という曖昧な回答であった。しかしながら、このような指摘をするのは佐伯区のみであり、どの市区町村においても何らの問題もなく受け付けたうえで支給されているところだ。なぜ同じ受領委任での取扱いをしているにもかかわらず、佐伯区だけ返戻となるのか。広島市佐伯区は厚生労働省保険局医療課が事務連絡を発出してこの取扱いを具体的に明記したことを、単に佐伯区の運用上の取扱いのみをもってこれに従わないとするのであれば、当然ながら明解な理由が必要となることは言うまでもない。よって、一部負担金欄を0円と記載することを求める正当な理由を、書面により回答されることを強く求めるものである。

繰り返しになるが、仮に、公費をもっており自己負担のない患者については、一部負担金欄を0円と記載しなければならないという佐伯区独自の会計上の取り決めがあるのであれば、経理担当部局における会計処理上、どの部分に明記されているかの開示を求めたい。その取り決めを確認させていただいたうえで、当方の対応について検討することとした。広島市佐伯区における会計処理上、特段の規定もなく、ただ担当者レベルでこのような理由により返戻を繰り返すことは認められず、また、先ほどの佐伯区における取扱上が明記された規定の写しを添付していただかなければ、当方としましても判断ができないではないか。

以上のことからこのまま再申請することとした。


# by ueda-takayuki | 2022-11-15 10:40

大阪労働局労働基準部労災補償課に近接部位の算定方法の指の捻挫に係る疑義照会をする

 大阪労働局労働基準部労災補償課長労災保険柔道整復師施術料金に係る近接部位の算定方法の疑義について照会をしています。労災保険柔道整復師施術料金算定基準につきましては、昭和53年3月16日付基発第154号「労災保険における柔道整復師施術料金の算定基準等の改定について」により実施されているところですが、今般、当該算定基準の一部改訂につきまして、令和4年9月21日付基発09214号により厚生労働省労働基準局長より通知されたところです。この一部改定の局長通知を受け、労災保険柔道整復師施術料金に係る近接部位の算定方法につきましては、令和4年9月21日付基補発09218号により厚生労働省労働基準局補償課長より通知された「労災保険柔道整復師施術料金算定基準の実施上の留意事項について」により実施されることとなりました。

 今般、当方会員から当該課長通知で定められた近接部位の算定方法の一部に対し疑義照会がありました。このことから、当該疑義内容を当職において精査したうえで、下記のとおり照会しています。令和4年9月21日付発出基補発09218号「労災保険柔道整復師施術料金算定基準の実施上の留意事項について」の内容で、当該通知上の記載において、一部矛盾が生じていると思われる箇所が見受けられます。

このことから、「指」の近接の取り扱いについて、この課長通知ではダメですよね。


【矛盾が生じている箇所】

◆第5 その他の施術料-3 打撲・捻挫の部-(1

と比較した場合の、

◆第5 その他の施術料-4 その他の事項-(1)近接部位の算定方法 カ

②算定できない近接部位の負傷例(脱臼・打撲・捻挫・挫傷の場合)5

との整合性。

【矛盾の具体的内容】

◆第5 その他の施術料

3 打撲・捻挫の部

1)指の打撲・捻挫の施術料は、指1本の場合は所定料金とし、指2本の場合は所定料金を2倍した金額、指3本の場合は所定金額を3倍した金額、指4本以上の場合は所定料金を4倍した金額とすること。

 一方、健康保険の療養費の取扱いでは、労災保険の療養の費用の取扱いとは異なり、指の打撲・捻挫における施術料は、1手を単位として所定料金により算定するものであることと通知されています。指の算定に係る運用が異なっていることに着目すべきです。

 にもかかわらず、当該箇所の表中の記載内容が健康保険のそれと同一であることから矛盾が生じているものと思われます。すなわち、「捻挫」と「脱臼」を別々に整理する必要性があるものと指摘させていただきます。

◆第5 その他の施術料

4 その他の事項

1 近接部位の算定方法

 カ

②算定できない近接部位の負傷例(脱臼・打撲・捻挫・挫傷の場合)

5 中手指・指関節脱臼・捻挫  手根・中手部打撲、指部打撲、指関節捻挫

指に関して、「3.打撲・捻挫の部」では、1指で算定してよいとなっていますが、「4.その他の事項」の一覧表で指し示された負傷例では、1指では算定不可であるかのように読み取ることができます。

ここでは、「4 その他の事項」の一覧表は、健康保険の近接部位をそのまま流用されたように思えます。この近接の取扱いはどのように解釈すればよろしいでしょうか。

労災統計より発生状況において、「はさまれ・巻き込まれ」、「墜落・転落」、「動作の反動・無理な動作」が上位を占めています。

 これらの発生状況より手・指の負傷が占める割合も高く、労働においても手指の使う頻度が業務上高く、早期に傷病労働者を職場に復帰させるという労災保険の目的実現のために、指の部位の取扱いが労災における医療給付において、健康保険の取扱いに比し、より手厚く行われてきたものと理解しています。

よって、健康保険の取扱いに準じた制度設計とはいえ、健康保険の取扱いと比較した場合には、労災保険の給付の取扱いは料金設定も高めの設定であり、傷病労働者にとっては有利な点があることを考えますと、指の取扱いは指の一本一本に着目した上で、「指1本の場合は所定料金とし、指2本の場合は所定料金を2倍した金額、指3本の場合は所定金額を3倍した金額、指4本以上の場合は所定料金を4倍した金額とすること」とし、指の本数により、2倍、3倍、4倍の算定方法とされたものと推察いたします。

 しかしながら、今回発出された課長通知においては、「4 その他の事項 (1)近接部位の算定方法  算定できない近接部位の負傷例(脱臼・打撲・捻挫・挫傷の場合)中の5 中手指・指関節脱臼・捻挫において、手根・中手部打撲・指部打撲・指関節捻挫と表記され、健康保険の取扱いである近接部位の算定例の表をそのまま転記しているように思われることから、「第5 その他の施術料

3 打撲・捻挫の部(1)の記載」と、「第5 その他の施術料4 その他の事項

近接部位の算定方法 カ ②算定できない近接部位の負傷例(脱臼・打撲・捻挫・挫傷の場合)」とで矛盾が生じており、一致した見解となっていません。

 健康保険の取扱いの表をそのままコピペしても取扱いの原則が異なるのだから、このままではダメだと思うのです。皆さんはどう思われますか?


# by ueda-takayuki | 2022-10-26 15:52

茨城県国民健康保険団体連合会 茨城県柔道整復師施術療養費審査委員会は転帰を中止とし新たに近接部位を施術開始したことをなぜか問題視しているが返戻の理由になっていない

 今回、茨城県柔道整復師施術療養費審査委員会 茨城県国民健康保険団体連合会から納得のいかない返戻がありましたことを報告したいのです。

返戻の理由は、初検より背部挫傷(上部)を施術していましたが、転帰を中止とし、新たに近接部位である頚椎捻挫を施術開始したことに疑義があるというものです。返戻付箋に記載のある「背部挫傷(上部)を中止とし、頚椎捻挫の施術を開始しておりますが、当初の部位を継続しないで、近接にあたる部位の施術を開始するのはいかがなものでしょうか。」というのは、この審査委員は何を言いたいのでしょうかね。

このことについて、令和4年5月24日付 照会付箋「(1)背部挫傷について、6ヶ月間施術後中止されていますが、他の部位は継続しております。疼痛が残存するも中止とした理由をお知らせ願います。」との理由により返戻がなされた際に、柔道整復施術療養費支給申請書の摘要欄に、「3月27日に来院された際、頸部を寝違え受傷していた。そのため、近接部位であり、比較的症状が軽かった背部挫傷を中止とした。」と懇切丁寧に回答をしたところでありました。たしかに、背部挫傷(上部)と頚椎捻挫は近接部位ではありますが、背部挫傷(上部)を意図的に中止したわけではなく、新たに頸部を負傷したことによるものであり、療養費の対象となる外傷性の負傷であると柔道整復師において判断し、症状が重い方を優先して施術を行ったまでであります。何か問題があるのでしょうか。新たに負傷した部位が近接部位にあたる場合はそれぞれで算定することができないので、症状が軽快傾向にある部位を中止として、新負傷で算定することはよくある普通のことなので、もうしょっちゅう!何ら問題ないものと考えます。不備返戻理由にはなりません。

そもそも「近接にあたる部位の施術を開始するのはいかがなものでしょうか」との返戻ですが、「いかがなものでしょうか?」とはどういうことなのでしょう。認められないとか、再考を促しているのでしょうかね。何を言いたいのかさっぱり分かりません。今般の照会付箋に関して、すでに摘要欄にて回答が済んでおりますので、このまま再々請求いたします。


# by ueda-takayuki | 2022-10-26 14:24

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