鍼灸療養費申請にあたり、同意書を快く得られないかなぁ

快く医師から同意をもらえる方法は何かないものか。鍼灸療養費の請求に当っては、医師の同意書が必要。初療日から3か月経過すれば、それ以降の再同意は「口頭でも電話でもよい」ことから、再同意を得やすい環境がすでに整っているが、これさえ検討専門委員会では「すべてに同意書の添付を!」なんてやっている。愚かな者達だ。同意書をきちんと発行しておいて、その後の再同意を断る医師はあまり見受けられないことから、一番のポイントは、初回の同意書をどうやって医師に書いてもらうかがポイント。以前は医師の同意書は医師であれば誰でもよかったのだが、現在は「保険医療機関に所属する保険医」の同意書が求められ、また歯科医師の同意書は認められなくなった。現在、地方医師会の組織的な取り組みで「鍼灸やマッサージに同意書を出してはならない」などとやられている。患者が持つ「自分が受けたい医療を受ける権利」をドクターが制限するのはおかしな話。しかし、医師からすれば医科の療養の給付(現物給付)と療養費(現金給付)とはともに支払われず、常に療養の給付が優先される現行の仕組み(医科との併給・併用の禁止)からすれば、同意書交付は西洋医療としての白旗降参、つまり西洋医療では治せないことの宣言にも等しいことから、そもそも医師の同意書を得ることが困難なのだ。国はこのことを知っていて、法律に何らも規定のない医師の同意書の添付を通知で指示しているに過ぎない。

このことから、同意書を快く医師からいただける妙案はないが、次の3点は重要だ。。

第一点は、まずは施術者が治療家として同意していただける医師を常日頃より開拓してまわること。医師とのコミュニケーションや付合いを深め、時には自分の患者を紹介するなど、医科との連携に尽力することから、結果として鍼灸施術に信頼を持ってもらうこと。

第二点目は先生から患者への同意書をもらってきてくれるように教育することです。医師は鍼灸師からの同意書交付依頼には結構冷たく「書けません」と断れるも、患者さんからのお願いについては弱いものだ。そこで、患者さんがどうしても鍼灸治療を保険を使って安価で受けたいことを医師に説明できるように患者への積極的アプローチが有効であろう。患者さんが一度は鍼灸施術を受けたい、どんなものか知りたい、そして治療を保険で受けたい、そのために同意書を書いてほしいと患者から医師へ攻めていただくことは得策である。

第三点目は、同意書に代えて診断書を医師に交付してもらい、同意書添付で療養費を請求する方法である。同意書を書きたくない医師に強制して書かせることはできないが、診断書なら診療行為がある患者からの発行依頼を断ることはできない。必ず診断書は出さなければならないのである。。ただ、この場合診断書のための文書交付料として実費相当額の作成費用を請求されることが一般的。そうするとお金がかかってしまう。この点をどのように考えるか。また、この場合2回目以降の再同意を得ることができるのかどうかが不安なところだ。

このように見てくると、同意書を医師から快く得られる妙案はない。治療家としての日々の地道な努力や患者教育が重要であることが分かる。

いずれにしても、何ら法律で決められているわけでもない「医師の同意書の添付」を廃止又は形骸化させる必要があると上田は主張する。なぜプロの鍼灸師が、鍼灸治療の何たるかを何も分からないシロウト医師にお伺いを立てなければならないのか。大半の医師は鍼灸治療のことなどこれっぽっちも理解していないし今後とも理解などできない。この保険局長通知で制限されている取扱い自体がそもそもおかしいのだ。医師の同意書を撤廃すべきである議論は何十年にわたって議論されているがまったく解決できないでいる。これは医療技術的問題ではなく単に「政治問題」であろう。鍼灸師の免許を持つ国会議員が誕生すればいっきに解決だ。逆に言えば、鍼灸師の国会議員が今後も現れないのであれば、永遠に国民医療としての鍼灸は進まない。私はもうこの闘いには参加しないと決めた。


by ueda-takayuki | 2017-05-19 11:51

上田たかゆきオフィシャルブログ


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