外部委託点検業者オークスが主導して行っている“受療者の一筆及び署名を求める返戻”に反論する

外部委託点検業者である株式会社オークスが主導して柔整療養費を返戻している理由に、「再請求の際は受療者様の一筆および署名が必要です。摘要欄へ一筆・署名をいただき再度請求してください。」というのがある。これは一体どういうことなのか。患者の回答と療養費支給申請書に何らかの不一致が認められたなら、どの点が相違するのかを一切明らかにせず、患者の自筆のコメントとサインを求めるという。この趣旨はおそらく「柔道整復師が患者に確認してその結果を柔整師が明らかにしても、柔整師の説明など何ら信憑性もなく信用できないから、患者からの説明と患者のサインを要する取扱いにしたまでだ。何が悪いのだ!」ということであろうと推察しているが、上田はこれに反論する。
 保険者の委託先としての株式会社オークスが主張している返戻とされた根拠は、健康保険法第59条「保険者は、保険給付に関して必要があると認めるときは、保険給付を受ける者(当該保険給付が被扶養者に係るものである場合には、当該被扶養者を含む。第121条において同じ。)に対し、文書その他の物件の提出若しくは提示を命じ、又は当該職員に質問若しくは診断をさせることができる。」及び同法第121条「保険者は、保険給付を受ける者が、正当な理由なしに、第59条の規定による命令に従わず、又は答弁若しくは受診を拒んだときは、保険給付の全部又は一部を行わないことができる。」によるものと類推しているのだが、一方では「受領委任の取扱規定」により「保険者は、療養費の支給決定をする際には、適宜、患者等に施術の内容及び回数等を照会して、施術の事実確認に努めるとともに、速やかに療養費の支給の適否を判断し処理すること」とも記載されている。
 すなわち、第1回目の返戻の際に、施術者は、摘要欄または返戻付箋の空欄に患者へ確認の上、請求内容に相違がない旨を記載して再請求をしているにもかかわらず、これを全く無視して、再度返戻が行われたことは、健康保険法第59条における保険者の調査権の乱用であり、このことについては、平成21年10月に近畿厚生局健康福祉部保険課より『保険者が柔道整復師に求めた被保険者の自筆署名・捺印入りの「陳述書」の提出については必要ないと考える』と回答されていることからも、明らかに不当・失当な返戻方法であり、この手法による返戻方法を改善されるよう強く要望したいところだ。過去にも同様の返戻が繰り返されたところ、当方から健保組合へ返送処理を行ったところ、そのまま支給されている実績もある。
by ueda-takayuki | 2016-07-28 10:42

上田たかゆきオフィシャルブログ


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