実務経験3年経なければ保険請求できないなど法令的にあり得ない

検討専門委員会であたかも実施可能のように議論されている施術管理者の保険適用先送り論。免許取得後3年間は療養費の受領委任払いをできなくするという議論は、法令を知らない者のたわごとに過ぎない。そもそも、療養費は被保険者(国保の場合は世帯主)に帰属するものであり、柔道整復師に帰属する権利ではない。これは明確だ。だからこそ、北海道国民健康保険団体連合会が柔整師の債務として差押えたことも敗訴し、控訴審でも国保連が負けたのだし、同じく、大阪市の過誤調整の名のもとに相殺処理したことの是非を争った裁判も大阪市が敗訴した。これらは法令的には当たり前なのだ。柔道整復師は「単に療養費の受取代理人」に過ぎないことを何度も私は教えてきたところだ。しかし、業界も保険者もいまだに理解していない。被保険者や世帯主に帰属する療養費の申請を、なぜ3年間保険適用できなくすることが公然と議論されるのか意味が分からない。柔道整復師に帰属する権益であれば、免許取得後一定期間の適用を認めないことは、法令的に明記すれば可能だが、単なる厚労省の保険局の通知ではできないだろうし、そもそも柔整師の金ではないのだから、ありえない議論をしている。これは3年を1年に短縮するとかという些末で低劣な代替案に応じてはならない。法令的にできないことを無理やりやれば、訴訟により認められないことが明らかになるだろう。
このような議論は、療養費が柔道整復師に帰属すると勘違いしていることと、財産権に制限を加えるには法的論拠が必要であって、通知は法令ではなく運用の考え方に過ぎない。
先ずは、検討専門委員の者たちは、北海道国保連が控訴審でも敗訴した判決文をきちんと読んで、勉強してから議論してほしい。
by ueda-takayuki | 2016-07-21 17:27

上田たかゆきオフィシャルブログ


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