確定申告時の医療費控除について知っておいてほしいこと

税務署に赴いて国税職員と打合せた。医療費控除について情報提供する。私も医療費が嵩んでいる患者の一人として医療費控除は毎年必ず申告しているが、私の場合であれば、5万円前後の税金が戻ってくるので医療費控除は重要な申告作業だ。基本理念として覚えていてほしいのは、
①病状に応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額が対象となること。
②容姿の美化や容貌を変えるとか、慰安行為、気持ちいい施術、治療行為とは関係ない施術、疲労回復などは病状を改善するための医療ではないことから対象外であること。
という2つの大きなルールがある。
①の点は、具体的な水準基準額を税務当局として金額の設定をしていない。自由診療として1万円以上を治療費としていても何ら問題なし。もちろん公序良俗に反するような、例えば1回の施術が100万円とかの超高額であれば当然ダメだが、常識的な料金というものがあるだろう。その自由料金は認められることになっている。その鍼灸治療・あん摩マッサージ治療が本当に「治療目的」であったかどうかが大切であり、金額を気にすることは特にない。
②の点に着目してアドバイスすれば、医療費控除の対象となるものは「療養費」として認められるかどうかには全く関連性はない。だから、医師の同意(書)や6疾患などを気にすることはまったくない。健康保険の保険診療の点数や療養費支給申請とは何らリンクしない。よって、保険点数や保険金額が何らかの形で明示されていないと医療費控除の対象にならないということはまったくない。
治療院が患者に発行する領収書は単なるレシートでも構わない。領収書やレシートに施術内容や対象疾患や病状の書き込みも一切求められていない。治療目的であることを記述する必要がない。ただ、患者が単に疲れを癒したり、体調を整えるといったような「治療」には直接関係のない施術料金は含まれない。施術者側においていちいちレシートに書き込む必要はないというのが、少なくとも現状での税務署での取扱いの実態だ。施術金額が分かるレシートで十分である。また、施術を受ける患者の最高治療費の年間限度額を定められてはいないので、施術費用として患者からいただく施術料金であれば、ここでいう「一般的に支出される水準内」と判断されることから、神経質に金額を議論する必要性自体がない。医療保険各法から支給される療養費とも関連付ける必要性がないことから、6疾患に限定されずに医療費控除の申告の対象となるという。変形性膝関節症や頚椎症等の治療もすべて対象となる。ただし、疾病の「治療」というものでなければ医療費控除にはならない。患者からの医療費控除に関する問い合わせの参考にしてほしい。
by ueda-takayuki | 2015-08-04 11:27

上田たかゆきオフィシャルブログ


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