三井健保組合は患者調査回答を柔整師には聞かずに回答せよという

三井健康保険組合が柔道整復療養費の適正化に係る啓蒙活動の一環として行っている施術状況の確認書面の内容について、一部疑義がある。この書面中、「整骨院等に問い合わせずに、受診された方のご記憶の範囲内でお答えいただきますようお願いいたします。」と記載されているのだが、患者が回答書の書き方がわからないということで柔道整復師にその記載内容について相談することは患者に与えられた権利であり、それを否定することはできないではないか。回答の仕方がわからず困っているのであれば、それを支援するのも柔道整復師に認められている行為であるのだ。それを裏付ける資料として、平成11年10月20日付、厚生省保険局のA保険課長補佐が発出した内かん文書を健保組合は知らないのであろう。ここでは、当該書面の(別紙)1 において「また、患者などが当該照会の回答を行うに当たって、自ら柔道整復師に問い合せを行うことも差し支えないものであり、これを否定するような表現も適切でないこと。」と明記されているとおり、回答するにあたって患者が柔道整復師に記載内容についてお聞きすることは何ら問題なく、整骨院に問い合わせないよう促す表現も適切でないとされているのである。次に、照会内容は約1年近く前の施術に対するものもあり、日々日記等をつけている患者以外にとっては回答困難と思われる。接骨院・整骨院施術状況回答書の問1の②では負傷日時や原因の具体的な記載を求めているが、該当する数ヶ月分の内容を記載することが困難な低レベルの些末且つ幼稚な様式と言わざるを得ない。同じく問3では1ヶ月の施術日数をご記入くださいとのことだが、一月分の施術日数しか記載できない様式なのである。このような、回答の仕方がよくわからない回答しづらい様式では、患者はどうしたら良いか柔道整復師に相談せざるを得ないのは当然ではないのか。なぜ健保組合は柔道整復療養費の不払いを決め込むのか。底結果、柔道整復療養費を102億円削減した結果として、外科・整形外科の筋骨格系及び結合組織系疾患の医療費支出が749億円増大してしまった事実を保険者としてどのように考えるのか。国民医療のために尽力してきた柔道整復師の整骨院・接骨院での活動を絶滅させようと躍起になっているようにもお見受けするが、私にはまったく理解できない。平成24年3月12日付で厚生労働省保険局4課長連名により発出された適正化対策の通知によれば、患者調査の事例として取り組まれている患者照会の参考様式例が示されているのだから、今後の患者調査については当該様式例を参考としてよりわかりやすい様式にされることを求めたい。少なくとも患者に負担がかかるような照会とならないよう要請する。健保組合の財政が逼迫しているのは柔道整復師のせいではなく、高齢者医療のための拠出金や支援金のせいである。たかだか4,000億円程度の柔道整復療養費を絶滅させる取り組みで何を望んでいるのかが分からない。
by ueda-takayuki | 2015-03-25 15:17

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