熊本県国保等柔道整復療養費審査委員会は月に1回の施術で治癒に導いたことを疑問視し納得できないという

熊本県国保等柔道整復療養費審査委員会が審査した柔道整復施術療養費支給申請書が返戻された。返戻付箋によれば、「初検日後、一回の施術後に2傷同時治癒について経過のご説明をお願い致します。」との内容だ。これはあまりにも柔道整復師に対して失礼千万なことであり、上田としては看過できない。療養費の支給対象はあくまで外傷性のものだ。外傷性に対する月一回の施術に関しての質問なのだが、外傷後の初期処置として、炎症期のRICE処置(R:Rest安静、I:Icing冷却、Compression圧迫、E:Elevation挙上)を行うのが柔道整復師の施術である。それらの中でRIE(安静、冷却、挙上)は指導管理により自宅でも行わせることが出来るだろう。炎症期をすぎてからは柔道整復が行える後療法の手技療法、運動療法、物理療法の中で、手技療法は自宅で行いがたいのだが、運動療法は指導管理により、自宅ででも行わせることができるし、物理療法の温熱療法にある伝導熱療法(表面加熱)である局所浴療法は自宅の入浴で行うこともできるのだ。指導管理の概念は「該当する病態を良好な治癒に導くために、施術上ならびに日常生活動作上での励行事項や禁止事項を指示し、それらの指導事項が確実に厳守、実践されるよう配慮することである。」(柔道整復学・理論編)であり、何らかの理由で毎日もしくは週に数回の通院施術がままならない患者さんには、指導管理が確実に厳守されているか、実践されているかを確認する必要もあり、月一回程度でも指導管理で負傷箇所の回復状況の確認と指導管理の継続、修正、中止などの判定も必要になるのである。また、後療法の「用量の指導管理」として「後療法の量は後療法の強度×持続時間で示されるが、これを決めるには多くの因子を考慮しなければならない。」に「施術所内の後療法のほか、自宅における運動療法の量も加算して考える。」のように、自宅での運動療法の量が施術所内の後療法の量として実践できていれば毎日の通院を促さなくても一向に構わないと思われるのだ。
 以上のことから、月一回の施術だから認められないという審査会の論拠が乏しく、当方会員が回答に苦慮することが明らかなので問題ある返戻であり認めることができない。そもそも1回の施術で治癒に導いたのを評価されこそすれ、不備返戻理由にはならないものと考える。柔道整復師は効率的な施術に努めているところであり、自身の持つ手技療法及び物理療法等を施し、早期な治癒に努めているところ。月に1回の施術だから効果があるかどうかの質問は何を意図されているのか全く不明であり、不備返戻の理由にもならない。理由のない返戻は即刻止めてほしい。このような失礼な返戻をする審査員の氏名の開示を求めると共に、月に一回の受診で効果がないと何をもって判断するのかの医科学的な所見を求める。よって、このまま再申請させていただく。早急な支給決定を求める。反論があるのであれば正々堂々と医科学的論証で議論したい。なぜこれが「不備返戻」なのか。支給できないのであれば、そして療養費の支給要件を満たしていないというのであれば、なぜ不支給にしないのか。審査会では明確な判断ができないということなのか。もっと責任を持って審査をしてもらいたいものだ。
by ueda-takayuki | 2014-07-25 14:39

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