次回の社保審医療保険部会柔整等専門委員会について思うこと

社会保障審議会医療保険部会の柔道整復療養費検討専門委員会とあん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会は近々第2回目が開催されるだろう。事務局から療養費の料金改定の素案が提案される。改定率は保険者側が引き下げを要望し、施術者側が引き上げを望んでいることと、第1回目の議論でもプラスマイナスゼロの意見も出たこと、医科本体の改定がプラス0.004%であったので従来の二分の一ルールによればプラス0.002%のプラス改定を業界は主張すべきだが、結局は±0%となりそう。
そうすると、適正化対策はすべてマイナス要因であるから、そのマイナスに見合うだけの分がプラス要因として施術料単価の引き上げということで提示される。
そこで重要なことは、適正化対策分としての抑制効果で期待されるマイナス影響率と初検料・施療料・後療料の引き上げに伴う影響率が同率だからプラスマイナスゼロということになるわけだが、それぞれの影響率の数値を業界側でもあらかじめ算出しておかなければ、事務局の提案が本当に妥当であるかどうかが分からない。
また、多頻回の抑制策として例えば「5ヶ月目以降は月10回まで」と回数制限が導入されたなら、次の料金改定では5ヶ月目を4ヶ月目からとか3ヶ月目からとか前倒しにすることで、将来的にはさらなる抑制策を許すことになってしまう。
3部位目の逓減を強化して、長期施術に係る逓減開始を前倒しして、新たに長期月に着目して月内回数制限を開始すれば、弱小の整骨院の経営は立ち行かなくなるので廃業に追い込まれることが明らかです。
一方、多数の施術者により、ベッドを並べてクイックマッサージよろしく患者を回転させているような施術形態を採っている施術所においては、そもそも5ヶ月など長期にならないし月10回にもならないので影響を受けないどころか、初検料・施療料・後療料の引上げは嬉しいところ。
そうすると、厚労省事務局が考えている内容では、施術に真面目に取り組み患者に時間をかけて永らくお世話をしている経営規模が小さい接骨院は大打撃を受け、チェーン展開で手広く大量に手がけているところは益々利益が増すことになると思われる。まさに二極化に拍車がかかるだろう。やはり料金体系を抜本的に変更して、患者数に着目したうえで、例えば20分を一単位として単位数による算定方法にすることが妥当ではないでしょうか。
by ueda-takayuki | 2012-10-31 13:02

上田たかゆきオフィシャルブログ


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